佐々木俊尚PRESENTS【LIFE MAKERS】

「21世紀の教養」を身につける

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October 9, 2016 12:00 PM|INTERVIEW

【LIFE MAKERSな人々。Vol.7】 SNS時代は"情報の蛸壺化"が危険?! メンバーが語る、佐々木俊尚ビジネスサロン「LIFE MAKERS」で得られる本当の価値とは?

【LIFE MAKERSな人々。Vol.7】

 SNS時代は"情報の蛸壺化"が危険?! メンバーが語る、佐々木俊尚ビジネスサロン「LIFE MAKERS」で得られる本当の価値とは?

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 佐々木俊尚が主宰するビジネスサロン「LIFE MAKERS」。豪華ゲストをお招きしての月2回のトークイベントに、1万文字以上の読み応え十分のインタビュー記事の定期配信、山登りや生け花、料理などのスペシャルイベントなど、充実したコンテンツが魅力です。

 今回は主要メンバーの石川ひとみさんに、今までのトークイベントで学んだことを振り返りながら、LIFE MAKERSで得られる価値についてお話を聞かせてもらいました。ただの感想ではなく、今を充実して生きる上でどのようなことが必要なのか? や、佐々木さんがどうやって良質な本と出会っているのか? など興味深い話が詰まっておりますので、ぜひご一読くださいませ!

 

<プロフィール>

石川ひとみ

渋谷区生まれ。CM制作→製造業向けコンサル→ITコンサル→広告関係の公益社団法人と3回の転職を経験。「企業に対する心の株価をあげる」ことができる広告をやっぱり仕事にしていきたいと気づくのに10年かかる。 仕事にもつながる幅広い視野を得たいと考えてLIFE MAKERSに参加。 趣味は読書、料理、仏像や宇宙。好きな作家は谷崎潤一郎と、昔も今もやっぱり村上春樹。

 


 

「生物と機械が融合して別のネイチャーになっていく

ということは十分にあり得る」

 

石:LIFE MAKERSのゲストの方はもちろん皆さん印象的なのですが、その中でも特にということであれば何人かいらっしゃいます。まずは落合陽一さんですね。

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佐:今までで一番ぶっ飛んでいる人かもしれない。はたしてみんな、どれくらい話についてこれたんだろうかっていう。

 

石:そうですね。落合さんの場合は、「落合さんが何を言っているかを正しく理解する」っていうのが自分の中の一つのゴールだったので、まずはそこを目指しました(笑)。

 

佐:未来の確固たるイメージを皮膚感覚でワーッと伝えてくれたんだけど、その感覚についてこれないと、難しかったかもしれない。ロジカルだけでは理解できない部分もあるから。

 

石:だから良い修行になりました。

 

佐:どこがおもしろかった?

 

石:テクノロジーを駆使して表現活動や仕事をされているのに、ご自分の命題は「プラットホームやネットの同調圧力から抜け出るようなことだ」とおっしゃっていたのが印象的でした。

 

佐:すべての構造はプラットホームになっていくというのは、ある意味最近の共通理念としてあって。たいていの場合はプラットホームを目指したがる。でもそんなものは容易ではなくて...。そうするとだいたい落ち着くところは、プラットホームとの関係をどううまく作っていくのか、っていうところになる。

 でも例えばGoogleなんていうのは、Windowsとインターネットエクスプローラーが幅を利かせてMicrosoft帝国って言われていたところから出発して、気が付いたらそれを崩してプラットホームになった訳だから、どこかで現状を突破しなきゃいけないんだよね。ただ落合さんの場合は、あえてプラットホームを目指すんではなくて、プラットホームの外側に出るっていう立ち位置を目指しているというのが興味深いよね。

 

石:そうですね、そこまで目指すっていう発想自体がやっぱりすごい。今私たちっていかにプラットホームを効率よく使って自分が恩恵を得るか、みたいな発想しかなくて。「そうじゃない」って言い切ったところがすごいと思いました。

 

佐:アーティストの役割ってそういうことなのかなって改めて考えたよ。あと面白いなと思ったのが、「デジタルネイチャー」っていう話をしていて。我々にとってのアナログとデジタルの感覚って、実は間違っているんじゃないか、という指摘で。

 

石:私たちが生きてる世界が仮想ではないとは言い切れない、みたいなことを言ってましたね。

 

佐:そういう考え方は宇宙物理学的に言えば、あり得なくはないだろうけど。例えば昆虫って意識がないじゃない。

 

石:本能しかない?

 

佐:そう。あれは一個の自律的な機械と捉えることもできる。こういうアクションを投げ込んだらこういう反応が返ってくるっていう、入出力装置でしかない訳で。ただ自律的に動いてるから、生命なんだけど。

 

石:昆虫と私たちの違いって...となりますよね。

 

佐:そこはもう意識の存在だけでしょ。そう考えると、それが機械と合体して別の自然っていうか、ネイチャーになっていくみたいなことは十分にあり得るよね。

 

石:でも私とチンパンジーの間には差もあり...、みたいなこともありますし、難しいですね、解釈が。今度ぜひ自然科学に詳しいゲストの方を呼んで、そのあたりを議論してもらいたいです。福岡伸一さんとか呼びましょうよ。

 

佐:福岡伸一さん、いいね。脳の話とか聞きたいね。他には誰がおもしろかった?

 

テクノロジーと人間社会が

密接に繋がってるという話は面白い」

 

石:そうですね、次はBuzzFeedの古田大輔さんです。古田さんの場合は人柄がわかったのがすごくよかったですね。

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佐:新聞記者らしからぬ柔らかい感じの。

 

石:柔らかく明るくてポジティブな。その古田さんの人柄がBuzzFeedっていうメディアの運営にどんな影響を与えるのかな? みたいなことを考えて、それがイメージできたんですよ。

 

佐:だいたい新興メディアに、新聞記者とかテレビ局通信社出身者がいくと失敗しがち。彼ら、超上から目線ですからね...。だから古田さんのような感覚の人たちが現れて新興メディアを作るっていうのは、やっぱり過去にない事例なのかなと。

 

石:まずわからないことを、ちゃんとわかんないこととして捉える。それを取材して記事にしてみると、考えが変わっていくかもしれない、みたいなことを素直におっしゃっていて。すごくオープンな考えの方だなと思いました。

 

佐:ただ情報を集めてキュレーションするだけではなく、みんなが興味のあることはまずフットワーク軽く聞きに行って、ちゃんと独自の解釈で記事にするというね。BuzzFeedって確かにそういうスタンスでやっていて、その感覚がいいよね。ジャーナリズムの原点といえばそうなんだけど。

 

石:私も結構スマートニュースのアプリでBuzzFeedを見てるんですけど、やっぱり面白いですね。単なる垂れ流しを文章にした記事じゃなくて、ちゃんと独自の視点や解釈があって、すごいなと思って読んでいます。

 

佐:すごく可能性を感じるよね。

 

石:他の分散型のWEBメディアとはレベルが違う感じがしています。

 

佐:他はどうですか。

 

石:あとはですね、著書にサインももらった矢野和男さん。

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佐:矢野和男さんね。『データの見えざる手』を読んでからすごく好きで、ずっと呼びたいと思っていたんだけど、ビッグデータ系の話はみんなそこまで興味を持たないんじゃないかと思っていて。でも蓋を開けてみたら、大人気でびっくりしました。

 

石:仮説に対して実際にご自身が機器をつけて生活し、ビッグデータ化していくというアプローチがすごいですよね。実際にあの本は友達にも激推ししました。

 

佐:ビッグデータっていうと非人間的な話になりがちなんだけど、実はビッグデータこそもっとも人間的なファクターがある、という解釈が素晴らしいですよね。一番感銘を受けたのは、一見役に立ってなさそうな窓際の課長さんみたいな人でも、実は役に立ってる可能性があるっていうのを数値化して示した話。あれはすごいね。成果主義の壁みたいなものを、実は突破できるんじゃないかという。

 

石:ご自身の研究を自分の学術テーマとして閉じ込めて深めるのではなく、組織や企業の生産性とか、すごく社会的なところに使おうとされている志に感動しました。

 

佐:やっぱりああいう、社会に役に立つようなことをしっかりとやっている人に会うと、生き生きしてるよね。

 

石:生き生きしてましたよね。ちょっと研究所の見習いで入りたいなと思いました(笑)。

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佐:ビッグデータの話で、あんなにわかりやすい本は今までなかったんじゃないかな。ネイト・シルバーの「シグナル&ノイズ 天才データアナリストの『予想学』」っていう、ビッグデータ関連では有名な本があるんだけど、ちっとも面白くなかった...。やっぱりああいうサイエンティフィックな話っていうか、テクノロジーに特化した話と人間社会が密接に繋がってるという話っていうのは面白いよね。

 

「日常生活の視野だけでは、

情報が蛸壺化していく危機感を持っている」

 

石:ちなみに佐々木さんは、矢野さんの本をどこで見つけられたのですか? そこに興味があります。良い本との出会い方というか。

 

佐:基本はネットですよ。本屋にはもう2年くらい行ってない。毎日膨大な量のフィードを読んでるので、その中に本を紹介してる記事って結構たくさんあって。そうするとそれだけで1日1冊くらいは引っかかってくる。で、すぐに買うときりがないから、とりあえずアマゾンのカートに入れておいて、3日くらい放置してやっぱり読みたいと思えるものだけを買う、という流れ。

 

石:なるほど、ネットの書評がやっぱり参考になるんですね。LIFE MAKERSのゲストの方はどのように選んでいるんですか?

 

佐:やっぱりいい意味で"変な人"をどこでみつけてくるのかっていうのが大切で。マス受けのする人は他でも見れるから、有名、無名は関係なく、いかに独自の鋭い視点を持って先を見据えてらっしゃるか、っていうところが重要で。

 

石:私は日々生活をしていて、自分が興味を持っていなかった分野の人といかに出会えるようにするかが、勝負だと思っているんです。SNSを多用するようになって、それ故に情報の蛸壺化を感じているので...。

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佐:どうしても自分の分野に引きこもってしまう傾向はあるよね。Webの業界にいるともうWebのことしか知らない、というような。大学なんかはもう典型で。専門分野に入っちゃうと、その分野のことしか話さない。だから例えば、政治学の本を読んでも、この視点面白いから、もっとこの分野と結びつけて考えれば広がるかも?! という風に、大きな視点で語れるのにって思うんだけど、なかなかみんな狭くて。

 

石:そうなんですよね。特に今は何でも細分化されてしまっているので、その細い部分を深く掘ってもな、とは思います。

 

佐:そうするとあんまり広くも読まれないし、気づかれにくい。せっかくいい本を書いたのに埋もれて消えていく、っていうのが非常に多い気がしています。

 

石:そうですよね。LIFE MAKERSでも、もともと自分が持っている興味関心の外にある分野の方の回に行くほど、面白い気づきがあります。仏教の山下良道先生の回も興味深かったです。なかなか普段、宗教について考える機会もないので。

Ryodo-sensei-1.JPG 佐:もちろんマインドフルネスの話が取っ掛かりとしてはあるんだけど、ああいう新しい考え方、宗教の突破口みたいなものは、実際に今の時代には重要だよねっていう、問題意識が必要なのかなって。

 

石:本当にそういうのは、新聞を読んでいるだけだとわからないですよね。今は情報ソースが膨大でしかも分散されているので、昔みたいにとりあえずニュース番組と新聞を読んでおけばいい、みたいなことではないので。

 

佐:山下良道先生とのトークの中で面白いと思ったのは、「今のお寺は、病院に行っているのに建物だけを見ているようなものだ」っていう話。

 

石:病院に行ってるのに、治療を受けてないってことですよね。

 

佐:そう。本来お寺っていうのは救われるために行くはずなのに、それを誰も求めてないし、お寺側も提供していないのはおかしいんじゃないかっていう。

 

石:おかしいですよね。

 

佐:お寺は単なる名所旧跡になっている、というね。あとは仏教以外のキリスト教やイスラム教などすべてを統一し得るっていう発想も興味深かった。我々自身とは何かっていう、我々自身の根幹を問うというのがあの先生の考え方で。それは宗教にとって長い年月のテーマであり続けたんだけど、今の現状だとある程度の共通認識を他の宗教同士でも持ち得るんじゃないかっていう。

 

石:すごい発想ですよね。

 

佐:そもそもずっと日本にいた訳じゃなく、アメリカで長い間生活した後、ミャンマーに渡っているから、発想がグローバルなんだよね。インターネットも使いこなしてらっしゃるし。

 

石:こういう話になると、もうまったく自分の中で圏外だったことが分かります。日常生活だけでは本当に情報が蛸壺化してしまっていることに危機感を持ちますね。

 

 

「旧来の価値観ではない、大学でもない

アカデミズムが必要になりそう」

 

佐:社会とかビジネスとか含めて、いろいろな文化圏と自分との導線をどう引いていくのかっていうのがやっぱり大事で。これをやると役立つ、とかそういう話じゃなくてね。

 

石:今って「どのくらいインプットしたら、どんなアウトプットがもらえますか?」って、あまりにも短絡的に求めすぎじゃないですか。ビジネス書とか、ネットメディアの論調にしても。

 

佐:すぐに答えが書いてないとダメっていうね。そういう人が多いよね。

 

石:あまりにも足腰が弱すぎるというか。

 

佐:やっぱり自分の中のバッググラウンドをどれだけ持てるのかっていうのは大事で。今まで自分の視界に入ってなかったものが現れてきた時に、どう受け入れて、どう自分の中で変化させていくか、そうやって自分の広げる手を大きくしていくべきで。

 

石:そうだと思います。私も短期的に何かに効くとか、メリットを得たいと思って、LIFE MAKERSに参加している訳ではないので。今の時代にこの言葉は流行らないですけど、言ってしまえば「教養」でしょうか。自分の骨を太くしたいという思いがあってここにきています。

 

佐:そうだよね、「教養」ってことになるよね。

 

石:ちょっとなんだか恥ずかしいですけど。

 

佐:近代の枠組みが今すごい勢いで崩壊していて、新しい21世紀的な考え方がこれから徐々に固まっていくという移行期に、じゃあどうやって物事を捉えていくかを意識しないといけなくて。そこはやっぱり「教養」というか、たくさんの質の良い情報を持っておいて、それをもとに捉えるっていうことになるよね。

 

石:そうですね。そういう情報を得て、学べる場所って、なかなかありそうでないですよね。

 

佐:だからLIFE MAKERSでは、なるべくビジネスからライフスタイルまで横断的にやっていこうと思っていて。さっき石川さんが言ってたように、自然科学系も学んだ方が良いと思うし、8月には国際政治学者の三浦瑠麗さんをお招きして、政治のトークセッション開催しましたし。

もちろん年配のアカデミズムな人はたくさんいるんだけど、軸が少し古い場合が多いんだよね...。そういう軸だと到底、落合陽一さんのような世界観は見えてこない。山下良道先生の話にしても、法事の後などにお坊さんがちょっとするありがたい話とはぜんぜん違う次元の話な訳で。

 

石:そうなんですよね。旧来の価値観ではない、大学でもないアカデミズムが必要になりそうですよね。

 

佐:例えばテレビで情報を得ようとしても、今この瞬間に面白いかどうか、ワッと場が盛り上がるかどうか、しか考えていない切り口や人選だったりして。本当に出演者の知見が素晴らしいかどうかはどうでもよくて。あとからジワっと、そうだったのかって気づくような価値は得られないんですよ。

 

石:あと今ってあんまりにもいろんな物事が複雑になりすぎて、情報量も爆発しちゃっているので、どんなことでも頼りになる万能の人的な人がなかなかいなくて。このジャンルには、この人が信頼できそうだ、という風にテーマごとに対応していく感じってありません?

 

佐:そうだね。70年代くらいまでは「論壇」っていうのがあって、例えば有名なとこでいうと竹村健一とか、政治学者の丸山眞男とかわりと重鎮がいて。その人たちがあらゆる物事に影響力があるような感じだった。

 そこからテレビが台頭してくると、ニュース番組が世論の形成に役割を担っていって。その中心になったのが久米宏とか筑紫哲也とかね。ただ彼らがもの凄くアカデミックだったのか、とういうと...で。すべては取材現場で学べみたいな、本を読んでいる人を馬鹿にするような風潮が少なからずあって。結局そうなると、取材をしなくなった瞬間に訳がわかんなくなるんですよ。最近では嵐の櫻井くんとか長島一茂などのテレビタレントが、その役割りを担う感じになってきていて。それで本当にカバーできるの?っていう状態になってしまっている...。ちょっと違うよね。

 

石:なんか極端っていうか、適切な真ん中の人がいませんよね。

 

佐:だから結局、分野ごとに信頼できる人、発信者を見つけていくことが大事になってくる。

 

石:まずはそこからですよね。

 

佐:LIFE MAKERSがそこを、僕の勝手な判断基準で「この人に」っていう風になればと思っています。

 

石:それはすごくありがたいです。なかなか自分だけでは判断できない部分があるので。あと自分が知らないことを勉強するのも重要なんですけど、同時に、知らなくていいことに無駄に時間を使わないっていうのも重要じゃないですか。取捨選択をうまくできる人になりたいなって。

 

佐:ゴシップのニュースばかり見てない? あれは時間の無駄でしかない(笑)。ただそこは微妙に難しいところもあって。例えばポケモンGOとかさ、時間の無駄になるからまったくやらないっていうのは、それはそれでARの可能性を考える機会を失っている、ともいえる。やっぱりやった方がいいよなって。

 まぁ新しいWEBサービスが出てくると、まずはアカウントを取るっていうのも大事。それをやるかどうかはその時の勢いで。

 

石:なるほど。興味を持ったことには新しい体験をしてみるっていうのも重要ですね。そこのバランスもチューニングしていけば、効率的かつ本当に必要な情報が得られるようになりますね。佐々木さん、LIFE MAKERSで引き続きお世話になります、よろしくお願いします!

 

佐:こちらこそいつもありがとう。そこの価値を出せるように考えながら進めていくよ。今後ともよろしく。

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「LIFE MAKERS」ではただ今、新メンバーの募集中です!

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June 7, 2016 7:05 PM|INTERVIEW

【LIFE MAKERSな人々。Vol.06】

【LIFE MAKERSな人々。Vol.06】

 

LIFE MAKERSでは面白い活動をしているメンバーに、佐々木俊尚が直接インタビューをするというコンテンツを展開しています! 第六回目のゲストは株式会社Next Commonsの富川岳さんです。

 

"地方創生"が時代のキーワードとなって久しい現在、さまざまな活動が全国各地で繰り広げられています。そんな中、ただIターンを促すとか、助成金をもらってどうこうという軸ではなく、クリエイターや起業家、 最先端の技術と知見をもった企業と、地域の資源や人材とをつなぎ合わせ、ポスト資本主義時代の新しい社会システムを具現化する「Next Commons Lab」の活動に注目が集まっています。

 

今回はLIFE MAKERSメンバーで「Next Commons Lab」の仕掛人の1人である富川岳さんに、その内容についてお聞きしました。給与が半分になってでも参画したい!? 壮大なプロジェクトについて迫ります。

 

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■ゲストプロフィール

富川 岳(29)

株式会社Next Commons ディレクター 

 

新潟県生まれ。割烹屋の長男として生まれるが、刺身と酒が苦手なため、実家を継がずに上京。7年間、デジタル・エージェンシー株式会社スパイスボックスに在籍し、プロデューサー/マネージャーを担当。2016年4月より岩手県遠野市へ移住し、株式会社NextCommonsを共同創業。現在、自治体・民間・起業家からなる新規プロジェクト「Next Commons Lab」を推進している。

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http://nextcommonslab.jp/

 

 

佐々木(以下、佐):もともとは広告代理店に勤めていたんですよね?

 

富川(以下、富):そうですね。博報堂グループのデジタルエージェンシーにいました。

 

佐:なんで辞めようと思ったんですか。

 

富:僕、地元が新潟で、大学も群馬県だったんですよ。なので、東京で就職した後もずっと「地方にある良いものを顕在化したい」という気持ちが常にあって。どこかのタイミングで、そういう方向にシフトしたいと思っていました。

 

佐:なるほど、ずっと地方で育ってきたから、東京とのギャップ感も分かっていますしね。

 

富:今はネットが普及し、さまざまなサービスが無料で提供されているので、あまりお金がなくてもいろんなチャレンジができるようになりました。であれば、自分も何か地域に還元できることができるんじゃないか、と漠然と考えていたんです。


 

佐:Web×地域みたいな軸で?

 

富:そうですね

 

佐:広告会社には何年いたの?

 

富:新卒で入って7年間ですね。

 

佐:どういう仕事を?

 

富:営業が中心で、日清食品のカップヌードルなどの担当をしていました。

 

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佐:今回、岩手県の遠野でプロジェクトを行おうと思ったきっかけは、何だったんですか?

 

富:きっかけは、もともとカップヌードルの案件で一緒に仕事をしていたデザイナーさんなんです。その方が2人で会社をやっていて、地方関連の仕事をしていたんですよ。その相方は、佐々木さんもお知り合いの林篤志さんで。

 

佐:自由大学を立ち上げて、その後、高知県で起業の学校「土佐山アカデミー」を主宰していた林さんね。僕も自由大学の初期の頃に、ノマドの講義をしていたので知っていますよ。

 

富:そうですよね。その林さんと、僕がお仕事をしていたデザイナーさんとが一緒に会社をされていて。デザイナーさんのところへ打ち合わせにいくと、地域とか、地方とかの本がたくさん積まれているわけですよ。

 最初はまったくそれに触れる余裕がなかったんですけど、ある時「ところでこの本って何ですか? 」と聞いたことがあって。そしたら、これから遠野で面白いことをやっていく、というような話があったんです。

 

佐:それで富川さんも興味を持ったという。

 

富:はい、そうなんですよ。ちょうど遠野でプロジェクトを立ち上げようというプランを立てている時でした。林さんは高知県の「土佐山アカデミー」で実績があったので、遠野でも市役所の人から、いろいろ相談があったみたいで。

 そんな中、「地域おこし協力隊」という青年海外協力隊の地域版みたいなものがあるんですけど、その制度を起業家が使いやすいようにアレンジした

仕組み「Local Venture School」が立ち上がり、今回のプロジェクトはその制度をさらにアップデートしたものなんです。

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佐:「地域おこし協力隊」って、助成金が出るやつ?

 

富:そうですね。行政に雇われて活動する際、活動支援金として、3年間に毎年400万円が個人に付与される制度です。

 

佐:そんなにもらえるんですね。

 

富:そうなんです。でもまだあまり知られていなくて。この資金を起業する際のベーシックインカムと考えると、それってもっと起業家が使うべきなんじゃないかという発想で。

 

佐:資金は生活費に使っても大丈夫なの?

 

富:はい、大丈夫です。

 

佐:田舎だったら、十分に暮らせるよね。

 

富:はい、ぜんぜん暮らせます。なので、起業するような人たちに使ってもらった方が、結果的に定住や移住が増えるんじゃないかと。

 

佐:その制度って、今まではなかったんですか?

 

富:いや、もともとありました。今も、各市町村などで募集しています。

 

佐:そんな制度があるんだ。それをアレンジして起業家向けにね、なるほど。富川さんが最初に遠野に行ったのはいつなの?

 

富:去年の12月30日ですね。

 

佐:どうやって行くんだっけ? 新幹線?

 

富:新幹線で新花巻まで行って、そこから釜石線に乗って1時間くらいですね。

 

佐:遠野駅っていう駅があるの?

 

富:はい、あります。2万7000人くらいの小さな市です。

 

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佐:行ってみて、印象としては?

 

富:めちゃくちゃ寒かったです...。マイナス12〜13度で...。

 

佐:そ、それは寒いね...。

 

富:もう強烈でして。生まれが新潟なので、寒いのには慣れていると思いきや、驚くほどで(苦笑)。

 

佐:仕事内容としてはコンサルになるの?

 

富:ざっくり言うと町づくりに近い動きにはなるんですけど、どちらかというと"起業家たちが、起業しやすいような環境を作り事業を支援していく"という感じですね。

 例えば、遠野って昔からキリンビールさんと農家さんが組んで、国産のホップを作っているんですよ。なので、そこの分野ではクラフトビールとか、マイクロブリュワリーを作るためのローカルブリュワーを募集したり。他にも、遠野では昔から馬を使って林業をしてきているので、草食動物を暮らしの中心にした生活を現復活させようというプロジェクトだったり。

 

佐:なるほど、自分たちが一つの事業を進めていくというより、さまざまなプロジェクトのプランニングをして、一緒にやっていく人たちを集めて進めていく、ということなんですね。最近、遠野ってぼちぼち名前を聞くんだけど、結構Iターン組がいるんだ。

 

富:結構いますね。僕も行ってびっくりしたんですけど、表参道に住んでいたバリバリのファッションデザイナーさんとか、環境系のコンサルをやっている方とか。あとは馬が好きな人、などですね。

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佐:遠野って馬が有名なんだ。

 

富:有名ですね。僕も行って初めて知ったんですけど。

 

佐:林業で馬を使うってことなんですね。

 

富:そうですね、山から切り落とした木を下ろすのに馬を使ったり、単純に畑を耕してもらったり。遠野って家がL字型で母屋と馬屋が一体化している、「南部曲り家」っていうのが有名で。昔から馬と密接に関わりながら暮らしてきた歴史があるんです。

 

佐:なるほどね。遠野もそうだけど、日本のあちこちにそういったIターンコミュニティが、同時多発的に出きているよね。島根県の海士町とか、徳島の神山町なんかもそうだし。

 

富:何である特定の地域に集中するんでしょうね?

 

佐:恐らく何人かの優秀なIターン組が活躍していると、安心してそこへ行けるっていうのはあるでしょうね。先駆者がいて、その人を頼ってみんながくるという感じで。

 

富:僕もちょっと上の世代のIターンの方々にお会いしましたが、結構オープンな感じで迎え入れてくださって、すごく入りやすかったです。

 

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佐:12月に行った時点で、もう遠野に住もうと決めたんですか?

 

富:あまりにも寒いのでしばらく悩んでいたんですが(笑)、今年に入って決意が固まりました。別に拠点はどこでもできる仕事ではあるんですが、これから地方で仕事をしていきたいという中で、東京に住んでたんじゃ説得力がないかと...。

 

佐:やっぱり住まないと分からないことはあるよね。僕も実際に、軽井沢や福井に住んでいるからこそ得られる情報ってありますから。

 

富:地方創生が盛り上がる中、地方にお金がまわっているじゃないですか。だから結構、広告業界も地方を攻めにいっています。「地方が、地方が」みたいな話を、やたらみんながするようになっていて(汗)。それに違和感を感じる時もありますね...。

 

佐:ただ、昔ながらのドカンと花火的なキャンペーンを打ち上げて、多くの人に一気にリーチするみたいな大手広告会社のやり方が通用しなくなってきていますよね。規模感だけやたら大きくて中身が...っていう。変にコンセプト先行の電博臭いイベントってありますよね。

 

富:広告業界にいたので、それ、すごく分かります。

 

佐:やっぱり実際に地元に住んでいる人が主宰しているイベントやプロジェクトって、ぜんぜん雰囲気が違う。

 

富:違いますよね。

 

佐:そこが大きいんじゃない。

 

富:そうですね、本当におっしゃる通りで。会社にいる時はすぐに映像を作ってとか、プロモーションを仕掛けてとか、そういう発想しかありませんでした...。でもそうじゃなくて、土台の部分をいかに作るかとか、ちゃんと人が来る仕組みはこうでとか、自治体とどう連携するかなど、いろいろなプレイヤーを巻き込みながらスキームを作り、かつそれをいろんな地域で展開していくってことが重要だと最近は感じています。

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佐:だいたいお祭りっぽく大きなイベントをやっても、一回は来たとしても、その後は誰も来ないというパターンが結構あるよね...。

 

富:タレントばかり出ていて、結局は何だったの? みたいな...。

 

佐:商品を作っても、テレビ番組で紹介してもらう座組みを組んで、1週間ぐらいワーっと大々的に売るんだけど、それで終わりみたいな...。

 

富:よくあるバズ的なマーケティングですね。

 

佐:それだと持続性がない。

 

富:そうなんですよ。結局は持続させていかないと、根本的な課題解決になりませんからね。

 

佐:具体的にはどんな動きをしていくんですか?

 

富:まずは新しく法人を立ち上げました。林さんが代表で、自治体と連携してくださる財団系の人や、リクルートを辞めて同じタイミングで参画した不動産に強い仲間がいて、僕が広告やメディア担当という感じです。そのメンバーを主体に「Next Commons Lab」というプロジェクトを進行していきます。

 

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佐:みんなで起業するということなんですね。今、おいくつでしたっけ?

 

富:29歳です。

 

佐:なるほど、一つの転換期ですね。起業することへの不安はなかったの?

 

富:プロジェクトがワクワクするものだったので、まったくありませんでした。ぶっちゃけ収入は半分になりましたが...、それも関係ないというか、チャレンジしたい!っていう気持ちがすべてに勝っていまして。

 

佐:それはエラい。「Next Commons Lab」の最初のプロジェクトは具体的に決まっているの?

 

富:はい。同時に10個のプロジェクトを立ち上げます。

 

佐:いきなり10個も!? すごいね。

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富:先ほどのキリンビールさんとのローカルブルワリーのプロジェクトもありますし、発酵・テクノロジー・限界集落・産前産後ケア・超低コスト住宅開発・里山経済システム・グローバルスクール・デザイン・食を想定しています。それこそテクノロジーだったら、Googleイノベーション東北さんとご一緒させて頂いたり。 

 

佐:面白そうなプロジェクトが揃っていますね。グローバルスクールは、軽井沢にある「International School of Asia.Karuizawa」みたいな?

 

富:そうですね。いわゆる学校教育とは、別の選択肢を提供したいというのがあって。

 

佐:食というのは?

 

富:地域の特産が食べられるようなカフェを、コミュニティのハブとして作ろうというものですね。

 

佐:会社の資金はどうするの?

 

富:会社の資金はラボ参加メンバーが利用する「地域おこし協力隊」の資金を一部我々の運営資金とさせてもらいます。その代わり我々はインキュベーション支援していきます。あとは、国からの助成金がベースとなっています。

 

佐:新しい会社の名前は決まっているの?

 

富:株式会社Next Commonsっていう会社になります。

 

佐:次世代の共有地ね。

 

富:はい。共有地であり、共有財産、あとは壮大な実験というか、実践の場になればいいなと思っています。最初は遠野なんですけど、ロールモデルができたら遠野以外のいろんな所にも横展開していきたいです。

 

佐:横展開は大事だよね。いろんなところで、同じような活動をしているけど、ナレッジが共有できていないから、スピード感や持続力がない場合がほとんどで...。もっと一つの成功モデルを作って、それをシェアしていく流れがないとダメですよね。そういうプラットフォーム的な発想を、きちんとやっていく必要があるんじゃないかと。

 

富:各地で頑張っている人たちはたくさんいるので、ちゃんと情報をシェアしていかないと、もったいないですよね。

 

佐:逆に言うと、既に全国には先行事例もあるわけだから、そういうのをきちんと学んで、連携していくことが重要でしょうね。LIFE MAKERSの次のインタビュー記事に出て来る、一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事の木下斉さんも、地域活性化の活動を精力的にやられている方なので、ぜひ読んでみてください。かなり参考になると思いますよ。

 

富:それは楽しみです!じっくり読んでみます。

 

佐:意外とそういう知見はあちこちにあるんだけど、その点がまだ面になっていない。

 

富:そうですね。僕たちも徐々に一つ一つ、というより10個のプロジェクトを同時にやった方が、各々が情報をシェアしながら展開できるので、成功しやすいかなというのがあって。それこそ外から見た時は、面として捉えてもらえますし。

 

佐:1人で黙々とやっていても、すごく時間が掛かるからね...。

 

富:そうなんですよ。あとは、地域おこし協力隊の制度を起業システムと組み合わせることで、都内にいる優秀な人材を地方に循環させていく、という狙いもあります。有能な人材の都内一極集中を分散できたら、地方にも自ずとチャンスが生まれてくんじゃないかと思っていまして。

 

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佐:なるほど。でも東京の20代の人を対象としたアンケートで、地方に住みたいと思っている人が40%もいる、というのをこの前聞きました。やっぱり地方に行きたい欲求っていうのは、今、相当強いんでしょうね。東京で擦り減って生きるなら、地方で伸び伸びとやった方がいいんじゃないか、いろいろ面白いことがあるんじゃないか、っていう期待感はあるみたいですね。だけど、そこの受け皿が分かんなくて、どうすれば? という状態なんでしょうね。

 

富:それはあると思います。僕もずっと地方で仕事をしたいと思っていましたが、なかなか一歩を踏み出せなかった...。そこにはやっぱり、仕事も含めていろいろなことが見えなさすぎるというのが大きくて。

 

佐:いきなり1人でパッと移住するといっても、なかなかハードル高いし。

 

富:高いですね...。

 

佐:富川さんたちがやるようなプロジェクトを、とりあえず見に行けるという機会があるだけでも違ってくるでしょうね。

 

富:まずは面白さ先行で飛びついてみて、その結果として移住場所が遠野っていう感じの方が、いいんじゃないかと思っています。いきなり定住してください、ではなく、何かちょっと面白いことをやろうぜ、くらいの感覚できてもらった方が、結果的にその土地を好きになってもらえるんじゃないかと。そういう仕組み作りを今回チャレンジしてみたいですね。

 

佐:そういう入口を作るのは、本当に大事なことだと思う。

 

富:広告業界も、悶々としている人が多いんですよ。

 

佐:広告業界は特にそうだろうね。

 

富:この先に何があるんだっけ? みたいな...。

 

佐:今後ますます新しいテクノロジーやサービスが乱立していく中で、20〜30代は付いていけるかもしれないけど、決定権のある40〜50代はほとんど付いていけなくなってきている。しかも日本の広告業界って、もともと体育会系的な営業で食ってきた世界なんで...。今まで宴会で裸踊りしていたおじさんが、いきなり最先端のメディア空間の設計ができるかっていうと、できるわけないよねっていう。

 

富:よく上司が必死でネットを見ていて、何かのサービスの研究でもしているのかと思ったらずっとゴルフクラブを探していた...、なんて話を聞きますから。なんて牧歌的なんだ...と。

 

佐:そこから若者が逃げ出していく、っていうのは当然あるでしょうね。地方はさまざまなミスマッチさえ解消すれば、面白いやり方はいくらでもできるだろうから。

 

富:そうですね。

 

佐:例えば、地方ってお金がないんじゃないかとみんな思ってるんだけど、日本って貯蓄率が極めて高いので、年寄りがたくさんいる地方銀行って、実はお金があるんですよ。

 ところが今、地銀の最大の悩みは、貸すところがないっていう...。新しく事業を起すような若い世代の人が、そもそもいないので。だから、意外と地方での資金調達ってハードルが低い。

 

富:そうなんですね。みんなそれを知っていれば、チャンスになりそうですよね。

 

佐:地方にいきたい東京の若者はたくさんいるし、Iターンする人が増えてきている中で、徐々に点が線になりつつあるっていうのが、今起きていることなんでしょうね。それがある段階まで一気にきてもおかしくはない。

 

富:本当におっしゃる通りです。これに限らず、さまざまな面で時代の転換期だと思っていて。LIFE MAKERSに入ろうと思ったのも、これからの時代がどうなっていくのか、旬なプレーヤーたちは今、何を考えているのか、というのを知りたいっていうのがありましたし。

 P5030183.jpg

 

佐:今まではインターネットの空間の中だけの変化だったのが、実空間にも影響が及び始め、ライフスタイルや衣食住も変わりつつある。都市部を中心に食のあり方や住まいのあり方なんかもどんどん変わってきているから、そのうち地方経済のあり方にも大きな影響が出てくるんじゃないかな。

 

富:それは大いにあるでしょうね。

 

佐:ほんとうに資本主義で大丈夫か? っていう根本的な議論をしている人たちもたくさんいるので。ジェレミー・リフキンっていうアメリカの学者が去年出した『限界費用ゼロ社会』っていう本、知っていますか?

 

富:いえ、知らないです。

 

佐:今後さらに技術の進化が進むと、モノやサービスを生み出すコスト=限界費用は限りなくゼロになり、企業の利益は消失して、資本主義は衰退していくという話で。でもそうは言いながら、ネット上にはものすごい量の無形の資本も生まれてきているので、それって従来のGDPじゃ測れないよねっていうような議論があって。

 

富:確かにそうですね。

 

佐:これから先、一体何が富として認定されるのだろうという。要するにお金は発生しないけど、何かのやり取りをしているという経済が人間社会をどう変えるのか、っていうのはまだよく分かっていない。今回のプロジェクトで、そのようなポイントについて考えながら、実験をしていくといいんじゃないかと思います。

 

富:そうですね。そういう視点で考えながら、進めていってみます。

 

佐:そうすると従来の地方経済とは、まったく違うものになると思う。そこは見えてないから逆に面白い。どうなっていくんだろう? 行く末を見守りたいですね。今日はLIFE MAKERSでライトニングトークもしてくれるそうで。楽しみにしています。

 

富:はい、今回の「Next Commons Lab」のプロジェクトについてプレゼンさせて頂きます。LIFE MAKERSは、トークゲストのお話ももちろんですが、このような個人が自由に発表できる場があるのもいいですよね。ぜひまた、プロジェクトが進行していったら、経過を報告させてもらいます。

 

佐:報告を楽しみにしています。一度、遠野にも行ってみたいな。

 

富:ぜひぜひきてください。ご案内します。本日はありがとうございました。

 

佐:こちらこそありがとうございました。頑張ってください!

 

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Watedly:『ポスト資本主義の社会をつくる。次の社会をつくるラボ、創設メンバーを募集

May 13, 2016 3:01 PM|INTERVIEW

【LIFE MAKERSな人々。Vol.05】

【LIFE MAKERSな人々。Vol.05】

 

LIFE MAKERSでは面白い活動をしているメンバーに、佐々木俊尚が直接インタビューをするというコンテンツを展開しています!

 

第五回目のゲストは音楽メディア『Dirty Honey(ダーティー ハニー)』をローンチされた佐保祐大さん。メタルバンドでベーシストとして活動後、IT業界に転身し、現在はフリーランスのライター・エディターとして活躍。音楽メディア『Dirty Honey』を自ら立ち上げ、既存の音楽メディアとは一線を画す展開を目指して活動されています。一体、どんな音楽メディアになるのでしょうか? というのはもちろん、現在の音楽シーンについてやホームレス経験!?など、ユニークなお話を聞いてきました。

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■ゲストプロフィール

佐保祐大(32)

ライター・エディター/元メタル系5弦ベーシスト

  

 1983年、高知県出身。高校卒業後に上京し、メタル系のバンドを結成。26歳のときバンドが解散し、IT業界に転身。以後、コンテンツ責任者として、自社サービスや企業のオウンドメディアのディレクションなどを行う。2016年の1月からはフリーランスのライター・エディターとして活動を開始。2016年5月1日に音楽メディア「Dirty Honey(ダーティー ハニー) をローンチする。

 

 

スクリーンショット 2016-05-06 12.33.21.png

http://dirty-honey.com/

 

佐々木(以下 俊):音楽メディアを作っているとのことですが、もう完成したんですか?

  

佐保(以下 佐):はい、完成しました。5月1日にローンチしたばかりです。

 

俊:まず、サイトのコンセプトをきかせてください。あっ、ちなみにサイト名が「ダーティー ハニー」ですが、あのダーティーハリーとは関係はあるの?(笑)。

 

佐:ダーティーハリーとは関係ありません...(笑)。音楽メディアを作るときに"毒にも薬にもならないことはしない"というテーマは決まっていました。その「毒と薬」という部分から "白と黒"のように相反するイメージの言葉を探していて、サイト名を「ダーティー ハニー」にしました。

 

俊:音楽メディアはWeb上にたくさんあると思うんだけど、既存の音楽メディアに対して、何か物足りなさがあるということ?

 

佐:そうですね。ほとんどがニュースサイトみたいな感じで、CDの発売やライブ情報ばかりで...。本当に音楽が好きな人が「もっと見たい!」という情報が、発信されていません。だったら自分で、そのようなメディアを作ろうと思ったんです。

 

俊:本当に音楽が好きな人が求める情報とは、どのようなものになるんでしょう?

 

佐:発売情報などのニュース性のものではなく、そこから踏み込んだ深い情報ですね。新しい情報だけでなく、音楽の歴史やハウトゥーもの、例えば僕が音楽をやり始めた時に思ったのが、曲ってみんなどうやって作るんだろう? みたいな。

 

 

俊:なるほど、プレイヤー側の情報ということですね。昔、プレイヤー向けの雑誌って結構あったじゃないですか。今はどうなんでしょうね。

 

佐:今もありますね。ただ部数が激減していて、大変だとは聞きますが...。

 

 

俊:そういう雑誌は、Webには力を入れてないのかな?

 

 

佐:Webサイトはあるんですが、表紙や「今月はこれが載ってます」というトピックスだけで、記事のコンテンツまでは配信していないですね。

 

俊:なるほどね。どうしてなんだろう?

 

佐:僕もそれは疑問なのですが。憶測ですが、部数も減っているし、編集部員もギリギリでやっていて、とてもWebにチャレンジしていこう、とはならないんじゃないでしょうか。

 

俊:確かにそれはあるかも。現在の音楽を巡る状況を、どのように見ていますか?

 

佐:ストリーミングなど、音楽を聴くためのいろいろなサービスは増えていて、リスナー層も一定数います。でも昔みたいにCDを何枚も買う、みたいな人は減っている。世界的にもCDが売れなくなってきていますよね...。逆に、ライブやフェスに行く人は増えていて。フェスの数自体も増えてきている状態で、そこには一定数の音楽ファンがいます。音楽を買うというより、リアルな場で音を楽しむ、という流れに変わってきていますよね。

 

俊:CDなどの音源は買わない、でもフェスには行く、という状況ね。それがいきすぎると、アーティスト側もフェス向けの音楽ばかり作るようになってしまう。そういう問題があると、この前「ROTH BART BARON」という日本のバンドのメンバーから聞きました。ノリの良い音楽ばかりになって、じっくり聴けるものがなくなるよねって。

 

佐:確かにそうですね...。海外でもDJがプレイする「ノレる音楽」がすごく盛り上がっています。日本でもヒットチャートに入ってくるのは、大人数で一緒に歌って、踊っているグループですよね。

 

俊:かといって、みんながみんなフェスに行って踊るわけではない。家の中や歩きながら、じっくり音楽を聴いている人もいるばずだよね。そういう音楽を作っているミュージシャンは、どこにいっちゃったんだろう? チャートにも現れないし、あまり見えてこないけど...。

 

佐:音楽は昔以上に多様化していて、インディーズもいろいろなバンドが出てきています。CDが全てじゃなくなったからこそネットを使っていろんな方法で音楽が売ることができますし。昔はテレビや雑誌などのメディアに取り上げてもらえないと知ってもらうことができなかったですが、いまはネットを通して知ってもらう方法はいくらでもあります。なので多くの人が目にするような場所にはいないけど、いまでもいろんなアーティストが精力的に活動はしています。

 

俊:ものすごく多様化しているね。たまに、小規模の音楽イベントやフェスに呼ばれることがあるけど、その世界ではきちんと評価されている音楽というのは、確実にある。

 

佐:はい、ありますよね。

 

俊:客層もメインストリームとはまったく違っていて、クラスター化が進んでいるな、という感じで。この前、金沢のローカルなフェスに行ったんですよ。すごくいいバンドがたくさん出ていて、東京から参加しているバンドなんかもいて。その時感じたのが「今ここのみんなが楽しければ、そんなに広げなくてもいいじゃん」っていう空気感で。売れてやろう!というのではなく、純粋に表現したいという感じで。すごくいいフェス、音楽なんだけど、そういう情報が広がっていかないと、そういうシーンに出会えないよね。


 

佐:そうですね。広げることを目的にしていないフェスや音楽だと、いい音楽だったとしても見つけにくいでしょうね。

 

俊:プレイヤー側の情報源はもっと少なそうだけど、実際にバンドやっている人って、どこから情報を手に入れているんだろう。例えば佐保くんは、どこから仕入れているの?

 

佐:昔は音楽雑誌でしたが、今はFacebookやツイッターなどのSNSやネットですね。キーマンから流れてくる情報をキャッチするようにしています。

 

俊:なるほどね。プレイヤーも音楽雑誌ではなく、SNSで情報を拾うようになっているんですね。ただSNSって偶然の出会いしかないので、自分からまとまって情報を取りにいくところは必要だよね。そこを「ダーティー ハニー」が担おうと?

 

佐:そうですね、そういう情報を「ダーティー ハニー」に集約していって、困ったときや何かを知りたいときに来てくれるサイトになれば、と思っています。

 

俊:佐保くんが音楽をやり始めたのはいつくらいなの?

 

佐:中学2年のときにギターを買って高校3年のときにベースに転向しました。高校卒業して高知から東京の音楽の専門学校に進学しました。

 

俊:一旗揚げようと?

 

佐:そうですね。「メジャーになる!」って組んだのがメタルバンドだったという、なかなか一般的に受け入れられにくい音楽でした(苦笑)。激しい音楽が好きになったのも僕が東京に出てきた頃ってDragon Ashが出てきたときで、ヒップホップとロックを混ぜ合わせたミクスチャーというジャンルが流行っていたんです。だから僕も最初はRIZEとかレッチリのようなミクスチャーバンドが好きだったんですが、音楽学校の友達からもっとコアで激しいバンドがあるよっていろいろ教えてもらったんです。その影響でどんどん激しい方に惹かれていって(笑)。

 

俊:やっていたバンドもヘビメタなの?

 

佐:僕がやっていたのは、厳密にいうとニューメタルやラウドロックと言われるものです。ただそれを言ってもヘヴィー系のバンドが好きな人じゃないと伝わらないので分かりやすいようにメタルバンドって言ってます。

 

俊:ヘビメタとは違うの?

 

佐:メタルの中でも、スラッシュメタルやヘビメタなど、いろいろと種類があるのですが、ニューメタルはヒップホップを取り入れた要素のある音楽で、日本だとミクスチャーとも言われたりします。海外のバンドだと"Linkin Park"や"Rage Against the Machine"のようなバンドです。

 

俊:なるほど。それで、そのバンドはデビューできたの?

 

佐:CDは3枚リリースしました。

 

俊:3枚も! 素晴らしいね。メジャー?

 

佐:残念ながらメジャーではなかったですね。インディーズです。

 

俊:その頃は長髪に革ジャンだった?

 

佐:長髪といってもドレッドで、革ジャンではなくヒップホップの人が着ているようなダボッとした服を着ていました。

 

俊:メタルなのに、そういうファッションなんだ。それで結局、何年バンドをやっていたの?

 

佐:6年やっていましたね。

 

俊:結構長い間やってたんだね。メジャーデビューの話はなかったの?

 

佐:どこかのレーベルがついてくれたら...という気持ちはありましたが、いかんせん一般的に売れる部類の音楽ではないですから...(苦笑)。

 

俊:確かに日本ではあまりウケないかもね...。

 

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佐:そうですね。メタルはもともと反キリスト教の音楽だったとも言われていて、日本人には馴染みのなくて、受け入れられにくい音楽ですよね(笑)。

 

俊:日本ではキリスト教に馴染みがないから、反キリストと言われてもピンとこないね。

 

佐:そうなんですよ。日本メタルのイメージってうるさい音楽、派手な格好というイメージしかないですがそれぞれに意味があるんです。それは反キリストに関係します。メタルのアルバムジャケットでよく墓から出て来ているゾンビや逆十字が使われていますが、あれは反キリスト教からきているんです。ただカッコいいと思っているからあぁいったジャケットなわけではないんです(笑)。キリスト教は死者の復活を願い土葬しますが、メタルはそれを否定します。死者は復活なんかしない、墓から出てくるのはゾンビだけだっていう。それを皮肉ってあぁいうジャケットにしています。そういった意味があるのですが、キリスト教ではない日本人からするとただの気持ち悪いジャケットとしてしか伝わらないですよね(笑)。

 

俊:確かに、CDジャケットなんかも不思議な世界観...というイメージがある。日常的にキリスト教があって、週末は教会に行くといった社会の中で、そのアンチというところがウケたんでしょうね。日本では、そういうのはないからね。アンチ仏教といったところで、リアリティがないし。

 

佐:パンクと同じで、社会に対するアンチテーゼでできあがった音楽ですね。ただ、いまはメタルというジャンルが枝分かれしていって、ニューメタルなどはそのような意味は持たないんですけどね。音楽性だけが受け継がれただけで。

 

俊:なるほど、メタルの世界にもいろいろあるんですね。マニアックだな(笑)。それでバンドを6年やって、やめた理由は何かあるの?



佐:いろいろと理由はあるのですが、引き金となったのはメンバーの脱退ですね。生活も苦しい、お客さんも思っている以上に増えない、これでいいのかという不安も出てきます。長く続ければ続けるほどいろんな問題が出てきますし、それが精神的に結構追いつめられるんです。

 

俊:音楽だけで生活を? アルバイトしながら?

 

佐:はい、アルバイトをしながらですね。

俊:そこは昔と変わっていないね。どういう仕事が多いの? 普通の接客業はなかなか難しいよね?

 

佐:そうですね。多かったのは配達や引っ越しなど体を使った仕事か、カスタマーサポートなどの電話対応やメール対応とかですね。

 

俊:この時代、音楽やアート、文学を志している人は食っていくのが大変だよね...。みんな苦労していると思う。よく言われているのが、音楽でもミリオンの人とそうではない人とが、両極端になっているという。1万枚くらいしか売れない人と、100万枚売れる人はいるけど、10万枚くらい売れるアーティストが全然いないと...。そんな状況でも音楽を続けるというモチベーションって何だろう?

 

佐:人それぞれあるとは思いますが、ステージに立ってお客さんの前で演奏するのって、めちゃくちゃ気持ちがいいんですよ。一種の中毒みたいになって、それが忘れられなくて今もずっとやり続けてるって人も多いです。

 

俊:やっぱりそういう感覚ってあるんだね。

 

佐:そうですね、僕もそうでした。

 

俊:ホームレスの時期があったって聞いたけど、それはバンド時代?

 

佐:そうですね。23歳の時、約7ヶ月間ホームレスを経験しました...。当時、違うバンドの男友達とルームシェアしてたんですが、彼が急に田舎に帰ることになり、高円寺の家賃12万円の広い部屋に、一人で住むことになったんです。しかもそんなときにバイトしていた会社が倒産したんです。それで12万円の家賃が払えなくなって...。

 

俊:それはキツイよね。

 

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佐:キツかったですね。しばらく家賃の滞納を続けてしまい、ついに大家さんから「出て行ってくれ」と言われまして。それで駒沢公園のベンチで寝起きする生活が始まりました。ホームレスをしていたのは4月から10月という冬の寒い時期ではなかったのでよかったんですが、それでも雨の日なんかは辛かったです。

 

俊:家がないというのは、どんな感じだった?

 

佐:プライベートは一切なく、休まるところがない、という感じです。常に他人の視線がありますし。

 

俊:食事やお風呂はどうしていたの?

 

佐:食事はコンビニで安いおにぎりやパンを買っていました。お風呂は、週に一度くらい銭湯に行って。持ち物は着替えくらいで、楽器は機材車に入れておいて。

 

俊:精神的には追いつめられた?

 

佐:身体的にはしんどかったのですが、精神的にはそうでもなかったです。「俺にはバンドがある。これに賭けているんだ」という想いがありましたし、メジャーにいってこれを笑い話にするんだって思ってました(笑)。

 

俊:ホームレスからはどうやって脱去したの?

 

佐:バイトをいくつも掛け持ちして、貯めたお金でまず滞納していた家賃を払いました。さらに新しい家を借りるために貯金して、7ヶ月後にやっと目処が立ったという感じです。

 

俊:偉いね。滞納したら、バックレてしまう人も多いと聞きますが...。それで、結局バンドは解散して、これからどうしよう...ってなった時、どうしたの?

 

佐:当時は燃え尽き症候群になってしまっていました。だから就職もせず...。

 

俊:そこからどうやってIT業界に?

 

佐:当時アルバイトしていた会社がたまたまIT系のベンチャー企業だったんです。その会社が上場して一気に大きくなるのを目の当たりにしたときに、IT企業のスピード感に驚きました。音楽でいうインディーズからメジャーにいったかような魔法を感じたんです。それで「ITの世界で一からやってみたい」と思うようになって。

 

俊:それまでITに関して、何かやったことはあったんですか?

 

佐:特にありませんでした...。バンドのWebサイトや、My Spaceを少しやったくらいで。

 

俊:IT業界に入ったのは何歳の頃?

 

佐:26歳ですね。

 

俊:それくらいの歳だと、リカバリーは簡単だった?

 

佐:簡単ではないですけど、自分には他の選択枠はなかったのでなんとかしました(笑)。その頃からそれまで読んだことがなかったビジネス書を読むようになりました。

 

俊:正社員になれたんですか?

 

佐:はい、その後転職して正社員になりました。

 

俊:雇用してもらえた理由は? 前職の経験があったから?

 

佐:バンドばかりやっていてそこまで経験があった訳ではないので、おそらく熱量と運だったんじゃないでしょうか(笑)。タイミングって重要ですよね。

 

俊:確かに20~30人規模のベンチャー企業って、あまり前職を気にしないよね。非正規雇用の人や就職に困っている人は、そういう企業に就職すればいいのに。なぜか選ばないよね...。その会社はどれくらい勤めたの?

 

佐:丸4年働いて、去年の12月に退職し、フリーランスになりました。

俊:わりと安定した職業で、そのまま続けられそうな感じなのに、またどうして辞める決断をしたんですか?

 

佐:音楽メディアもそうですが自分がやりたいことがあったので辞めることはずっと前から決めていました。時期はいつでもよかったんです。

 

俊:生活費はどうしているの?

 

佐:前職の貯金や、あとは辞めてからフリーランスのライターとして仕事をしているので、何とか生活はできています。

 

俊:フリーランスでも選り好みしなければ、仕事はあるということだよね。

 

佐:そうですね、いくらでもあると思います。

 

俊:いつ立ち上がったんだっけ? ビジネスモデルは何か考えているの?

 

佐:5月1日です。ビジネスモデルとしては、基本的には広告にはなると思います。

 

俊:クライアントは、どういうイメージ?

 

佐:基本的にはYAMAHAなどのメーカーさんなどですね。ゆくゆくは、課金モデルとしてオンラインのレッスン動画のようなものもやっていきたいですね。その先の展開としては、オフラインのイベントです。「ダーティー ハニー」主催のイベントを、やっていきたいと思っています。

 

俊:どんなイベントを?

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佐:イメージとしてはROCK IN JAPAN FES.みたいな感じです。あれくらい大きなフェスにまで持っていけたら、エキサイティングですね。Webメディア発のフェスがあってもいいんじゃないかと。

 

俊:なるほど、Webメディアが仕掛けているということであれば、他にやっているところもあまりない。あとは単純にメディアとして、同種のサイトがないってことだよね? そうすると、楽器メーカーが広告を出すところもないので、可能性はありそうだね。

 

佐:それを狙っていきたいですね。

 

俊:そういう話をよく聞くんだよ。雑誌が衰退して、それまで雑誌に出していたクライアントがWebにいきたいんだけど、Webメディアがイマイチだって...。雑誌と同じクオリティでやっているところがないという...。以前、アウトドアブランドの人からもそういう話を聞きました。アウトドアのメディアってWebにあまりないから、出しどころがないと。それにWebだとチープなメディアが多くて、ブランディング的にふさわしくないから、出さない方がいい、みたいな感覚があるらしい。

 

佐:それはあるでしょうね。デザイン性が低いサイトはまだまだありますし。

 

俊:やっと最近になってサイトのデザインがキレイになってきたので、少しは出しやすくはなってきたけどね。2〜3年前まで、広告をベタベタ貼りまくったサイトばっかりだったから...。「ダーティー ハニー」もそういうブランディングよりのアプローチも行えば、メーカーさんからの出稿の可能性はあるんじゃないかな。

 

佐:そういう面もちゃんと考えていきたいですね。アドバイスありがとうございます。

 

俊:LIFE MAKERSに参加してみてどうですか?

 

佐:LIFE MAKERSは佐々木さんとゲストとのトークの内容が深いんですよね!トークイベントとか他にも行きますが「それ聞きたかったこと!」とか「そんなことまで聞いちゃうんだ」って思うような鋭い質問を佐々木さんがゲストの方にどんどんしていくので、毎回今日はどんなトークが展開されるのか楽しみにしています。

あと佐々木さんはもちろん、参加メンバーや運営スタッフの方などいろんなバックグラウンドを持っている人が多く、普段知り合うことがないような人もいるので、懇親会などで話をするのが楽しみのひとつです。一回だけのイベントで親しくなることって滅多にないですが、毎月あるので自然と親しくなって深い話ができますし、新しいことを始めたときとか近況を報告しあったりして会員制ならではの利点だなって思っています。楽しみにしているので、今後も続けていってほしいです。

 

俊:頑張ってください。

 

佐:ありがとうございます。頑張ります!

 

俊:応援しています。

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March 30, 2016 12:26 PM|INTERVIEW

【LIFE MAKERSな人々。Vol.04】

【LIFE MAKERSな人々。Vol.04】

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LIFE MAKERSでは、面白い活動をしているメンバーに、佐々木俊尚が直接インタビューをするというコンテンツを展開しています!

 

 第四回目のゲストは、運営する「もてなし屋 根津」というコミュニティスペースで「根津夜会」という連続イベントを主宰し、「東京ボッチ生活」というWebメディアを立ち上げられた岩嵜 修平さん。イベント企画やWebの仕事をライスワークとしてこなしながら、ライフワークとして、"ボッチ"をゼロにする活動されています。

 

 "ぼっち"というと、独りで寂しい人というイメージもありますが、岩嵜さんが注目しているのは、好きなものがあるけど、まわりに仲間がいない状態である"ボッチ"。その人たちを繋げて、コミュニティ化しようという試みです。さらにそれをローカルと繋げていく!? 一体どのような活動をされているのでしょうか。

 

 

■ゲストプロフィール

岩嵜 修平(28歳)

「もてなし屋 根津」管理人/「東京ボッチ生活」運営/イベントプランナー

 

1987年 秋葉原生まれ。Web制作会社でのWebディレクターを経て、現在はフリーランスとして、小中規模のイベント企画運営や、ローカル冊子の編集などを行っている。個人的なプロジェクトとして、ボッチをゼロにする「ボッチョ(BOTCH→0)」を立ち上げ、2015年7月には、訪日観光客と地元民の交流の場「もてなし屋 根津」のオープンに携わる。また、ちゃぶ台を囲んで好きなことが近しい人が語らい合う連続イベント「根津夜会」を同会場にて開催。2016年3月には、ボッチのための情報提供サイト「東京ボッチ生活」をローンチした。

 

もてなし屋 根津

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根津夜会

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東京ボッチ生活

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佐々木(以下、佐):「東京ボッチ生活」というWEBメディアを運営されているということですが、どのような経緯でスタートしたんですか?

 

岩嵜(以下、岩):もともとは"ボッチ"をゼロにする「ボッチョ(BOTCH→0)」というプロジェクトを3年くらいから前から始めていまして。

 

佐:「ボッチョ(BOTCH→0)」はどんなプロジェクトだったんですか?

 

岩:最初にやったのは、共通の趣味を持っている人たちを集めたイベントですね。僕自身、フェスとかイベントが好きで、結構いろんなところに行くんですけど、行くにあたって1人になってしまうことが多くて...。「あのイベントに行きたいけど、1人だし...」と躊躇している人が、結構いると思うんですよ。そういう人たちを繋げられるような、情報や場があればいいなと思いまして。

 

佐:"ぼっち"っていう言葉は、いつ頃から使われているんだろう? 1人飯のことを"ぼっち飯"なんて言ったりするけど。

 

岩:言葉自体はどうでしょう、恐らくこの10年くらいじゃないですかね。

 

佐:一般的に"ぼっち"っていうと、「誰にも相手にされない、かわいそうな人」みたいなイメージが強いんですけど、それとは違うんですよね?

 

岩:定義として、そこは意図的に分けています。僕自身もみんなでワイワイという時もあれば、一人ぼっちでさみしく...という時もあります。なので"ぼっち"というのは、特定の人に対する言葉にはならないのかなと思っていまして。僕はあえてカタカナで"ボッチ"と表現しています。

 

佐:なるほど、状態として"ボッチ"ということですね。

 

岩:そうなんです。

 

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佐:よほどハイテンションでコミュ力の高い人は別にして、普通に生きていれば誰だって、知り合いがいないアウェイ感を感じることはあるよね。1人でパーティーに呼ばれて...どうしよう...ってことも実際にあるし...。

 

岩:誰か話し掛けてくれないかなって思うんですけど、結局、話し掛けてくれないっていう...(苦笑)。

 

佐:ちなみにああいう時は、2人同時に話し掛けるっていうハックがあるんですよ。

 

岩:会話が盛り上がりやすいからですか?

 

佐:そうそう。1対1で話していると、3分くらいで話すことがなくなってしまうし、別れるのが難しくなる...。3人だと話も弾むし、抜けることも簡単になる。

 

岩:なるほど! 今度やってみます(笑)。

 

佐:ちなみに「ボッチョ(BOTCH→0)」はWebサイトで展開していたの?

 

岩:いえ、Facebookのイベント作成で募集して、という感じです。それをmixiなどのコミュニティに投稿したり、Twitterで呼びかけたりして。最初はフェスに行くメンバーを集めるところからスタートしました。

 

佐:それでどれくらい集まるもの?

 

岩:最初はぜんぜん集まらなくて...。回数重ねていくと徐々に増えて、6人くらいは集まるようになって。

 

佐:どんな人が集まるんですか?

 

岩:地方からいらっしゃる方が多かったですね。地方から東京まで1人でわざわざという人も。

 

佐:最近は音楽のクラスター化が進んでいるので、特に地方なんかにいると、同じ音楽が好きな人が滅多にいないという。東京でもそんなにいない気がする。

 

岩:かなり見つけにくいですよね...。

 

佐:逆にAKBみたいな方がわかりやすいというか。

 

岩:劇場に行けば、間違いなく同じ仲間がいますし。

 

佐:1人で来ている人も多いからね。逆にフェスとかは、一人じゃ行きにくそう...。

 

岩:フェスだと、特定のミュージシャンだけじゃないので、特に1人だと行きにくくて。フジロックにもプライベートで友達と6人で行ったんですけど、現地ではバラバラになる時間も多くて。

 

佐:そうか、フジロックもいろいろな会場があるし、人によって聴きたいバンドが違うから。

 

岩:そうなんです。

 

佐:フェス以外にも、みんなでどこかに行くっていうのはあったんですか?

 

岩:はい。お祭りとか山登りなどもありました。

 

佐:昔は会社の同好会みたいなのがあって、そこに参加するっていうのがあったけど、今はなくなりましたよね。週末まで会社の人と一緒に...っていうのもあるし、非正規雇用の人も増えましたし...。東京だとフリーランスも多いですから。

 

岩:逆に、町内会などのローカルコミュニティがあればいいんでしょうけど。

 

佐:そうですね。地域のコミュニティも会社のコミュニティもないから、みんなが"ぼっち"化しているケースが、意外と多いのかもしれない。

 

岩:そうなんですよね。

 

佐:例えば写真なら、とりあえずカメラを買ってきて、独学で勉強すれば1人でも楽しめる。でも野球は1人ではできないし、山登りやサーフィンにしても、いきなり1人ではできない...。だから教えてくれるような先輩的な人がいれば、いいですよね。フェスにしても、いきなり1人は難しいし...。

 

岩:本当にそうだと思います。

 

佐:食事もそういうのがありますよね。とんかつ屋なら1人でいけるけど、ブータン料理屋に1人、というとなかなかハードルが高い。

 

岩:ブータン料理は確かに...。Facebookなどにブータン料理のことを上げている友人がいれば誘えますけど、なかなかいないでしょうから...。

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佐:あとちょっと高級なフレンチに行ってみたい時でも、彼氏、彼女がその時にいればいいんですけど、最近付き合ってない人も多いから...。そういうどこかに行くため、何かをやるための友達を見つけるっていうのが、「ボッチョ(BOTCH→0)」や「東京ボッチ生活」の目的ということですね。

 

岩:そうですね。「ボッチョ(BOTCH→0)」では、小さなイベントをどんどん立ち上げていって。

 

佐:イベントっていうのは、先ほどのフェスイベントとか?

 

岩:それ以外にトークイベントみたいなものもやりますし、編集を志している若者と経験のある方を繋ぐとか、新しく本を出す作家さんと本が好きな読者さんを繋げるとか、そういう仲間づくりにつながるようなイベントを神保町でやりました。

 

佐:それは今もやっているの?

 

岩:ときどきお手伝いしているくらいですね。今は、たまたま巡り合わせで文京区根津という町と出会いまして、そこで「根津夜会」と題した連続イベントをやっています。

 

佐:「根津夜会」というのは?

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岩:「根津夜会」は、"訪日観光客と地元民の交流の場"をコンセプトとした「もてなし屋 根津」というスペースにあるちゃぶ台を囲んで、好きなテーマの話をする会です。

 

佐:「もてなし屋 根津」というのは、イベントスペース?

 

岩:普通の家の一間を、コミュニティスペースとして解放していまして。

 

佐:ほう、面白い。

 

岩:もともとは持ち主の方が、地元民と訪日観光客との交流のために、民家の一室を解放したスペースなんですけど、「根津夜会」でも使わせてもらっています。

 

佐:特定のテーマに興味がある人同士が出会って、仲間がどんどん集まり、行動を共にするというのは、ある種サークルみたいなイメージ?

 

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岩:サークルとは少し違っていまして...。サークルだと、結局20〜30人になってくると、どうしてもコミュニケーションが難しくなります。あとは、人が固まってしまうと、新しい人が輪に入りづらくなって、コミュニティが硬直化してしまうことがあります。

 

佐:となると、少人数で流動性があるイメージ。

 

岩:そうですね。ざっくりしたカテゴリーをいくつか作っておいて、少人数のグループがたくさんできれば、と考えています。3〜4人くらいの規模の方が、結構会話が弾むんですよ。そのような小さな集まりが、どんどん増えていったらいいなと思っています。

 

佐:同じ人が、別の会に参加することも?

 

岩:ありますね。猫夜会に参加した人が、谷根千夜会にも参加したり。

 

佐:面白いね。そういう形態の集まり方って、あまり聞いたことがないですね。固定と流動が入り交じった感じで。

 

岩:そうですね。世間で行われているイベントって、準備して、集客して、あれこれセッティングして、というのが大変じゃないですか。その点、「根津夜会」は、「もてなし屋 根津」にふらっと来てもらって、ちゃぶ台を囲んで話をするだけなので、オペレーションの必要がなくて。だから小さくてもイベントをどんどん開催しながら、人々が交流できる場になればと思っています。気軽に楽しめる感じで。

 

佐:オペレーションや仕切りがなくても、盛り上がるんですか?

 

岩:一応、進行みたいなものを作るようにはしているんですけど、いつも盛り上がりすぎて、いらないくらいです。先日もWebメディア夜会をやった際、予め議題を10個くらい決めておいたのですが、3つ目くらいで終わっちゃいました(笑)。

 

佐:へ〜、そんなに盛り上がるんですね。

 

岩:集まってくる人が面白いので、自己紹介だけでもかなり時間が経ってしまいます(笑)。

 

佐:なるほどね。昔よりもコミュ能力が高い人が増えているのに、逆に集まりにくいっていう不思議な感じがありますよね。だから、ちゃんと触媒を入れてあげると、一気にみんなが仲良くなるみたいな。

 

岩:SNSによって、この人これ好きだろうなっていうのは分かるようになったんですけど、あれもこれも好き...みたいな感じで...。この人が本当に好きなものって何だろう? と、逆に分かりにくくなった感もありまして。

 

佐:そうなんだよね。自分が属しているレイヤーの多重性みたいなものがあって、それをどううまくまとめるかっていうのが、SNSの難しい課題になっている。例えば自分はジャズとロックが好きで、友達はジャズとアイドルが好き、なんてことがありますよね。ジャズは共通してるんだけど、もう一つがアイドルか...っていう(苦笑)。

 

岩:昔はmixiのコミュニティとかに参加してたら、それはそれで分かりやすかったんですけど。

 

佐:Facebookがタイムラインっていう、ニュースフィードの方式を採用しちゃったから、やりにくくなったというのがあって。ジャズもアイドルもすべて同じように流れてきちゃうからね。かといってmixiのような広場式は、そこに行かないと見れないから、面倒くさいというのがあって...。

 

岩:なるほど、確かにそうですよね。

 

佐:そこの人間関係と興味のベクトルの違いをどうするのか、を考える必要があるんだけど、イベントドリブンでやるのも一つありますね。

 

岩:そうですね。僕はそれをローカルコミュニティと近づけたいなと思っていまして。

 

佐:ローカルコミュニティって、実際の地域コミュニティ?

 

岩:はい。「根津夜会」のように好きなテーマがあって、それに人が集まるっていうものと、地元のコミュニティの重なる部分があるんじゃないかと思っていまして。

 

佐:なるほど、確かにありそう。

 

岩:地元の人も同じように好きなものがあって、来訪者とコミュニケーションがとれるようになればいいなと。それを根津以外でも展開していければ、"ボッチ"を少なくしていけるのではないか、と思っています。

 

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佐:アメーバのように分離したり増殖しながら、どんどん進化していくようなイメージですよね。僕も"アイコンミーティング"っていうのに参加していて。イラストレーターの南暁子さんに、SNSのアイコンを描いてもらった人が集まるコミュニティで。

 

岩:もともとお知り合いとかではなく。

 

佐:そう、ただアイコンを描いてもらったというだけで、もとはまったく知らない人ばかり。でもみんなで食事をしたり、山に登ったりなど定期的に行っていて。そこでは例えば1人が自転車を始めると。コミュニティの人も興味を持って始めるんだけど、そのうちそのまわりの人が参加するようになって...。最終的には、アイコンのコミュニティはもはや関係ないという風になる(笑)。そういう増殖の仕方は、一つあるよね。

 

岩:それは面白いですね。他の所から「面白そうだ」ってみんなが集まってくるんですね。

 

佐:そうそう。友達の友達とかがね。

 

岩:それは良いですよね。僕もそういうキッカケを作る場を提供したいっていうのがあるので、理想的な展開です。

 

佐:なんかこう、細胞を針で刺すと、突然分裂が始まるみたいな感じで面白いよね。

 

岩:それが1人だと難しいので、2〜3人のグループを作れたら、というのがあります。

 

佐:こういう「無縁のコミュニティ」というか、まったく何の縁もゆかりもないところから始まるコミュニティが、勝手に進化して動いていくっていうのはいいですよね。「東京ボッチ生活」は、「根津夜会」のWEB版? メディア?

 

岩:「東京ボッチ生活」は、Webサイト兼メディアみたいな形です。

 

佐:それはいつ頃ローンチ?

 

岩:3月の下旬にローンチしたばかりです。

 

佐:サイトの内容はどんな感じですか?

 

岩:例えば「お祭り」の情報であれば、東京都内でこういう祭りをやっていますよ、みたいなものを出して、たまに実際に運営されている方にインタビューをしたり。フローとストックの情報を、どちらも網羅しているような感じで。

 

佐:「お祭り」って確かにあちこちでやっているけど、意外に情報が集まっているところが少ない。

 

岩:お祭りの情報って、町内会や地元の自治体みたいなところが主催なので、情報がわかりにくいんですよ。どこでやっているかもわからないし、行き方も...みたいな状況で。その情報を集約してあげるだけでも、価値はあるかなと思っています。

 

佐:「お祭り」はコンテンツの一つとして、それを"ボッチ"とどう繋げていくんですか?

 

岩:今までやってきたこともあって、そこはやはりイベントへと繋げていきたいですね。お祭り情報の中に、「このお祭りに一緒に参加しませんか?」みたいなイベントページへのリンクがあって。

 

佐:メディアっていうのは、一つの文化ですから。そこに集まってくる人たちが1つのコミュニティになって、同じ文化を共有するのがメディアの役割であって。だから単なる情報提供ではないんですよね。いろいろな物がすべてコミュニティになっていく、みたいな傾向を最近すごく感じています。方向性としてはすごく面白いなと。あとはそのコミュニティをどうやってドライブさせていくのか、っていうところが重要になってくる。

 

岩:そうですね。最初はとにかく数をこなさないと、とは思っています。

 

佐:一つ一つが継続的で強いコミュニティになりすぎるとよくないから、イベントの後、参加してくれた人が違うテーマでも集まって...みたいな広がりを持たせられればいいですよね。

 

岩:だいたいのコミュニティの衰退の原因は、常連ですから。新規の人が入りにくくなって...。

 

佐:そうそう、だから少しづつメンバーが入れ替わって、新陳代謝しながら動いていくって感じが、いまどきのコミュニティ感なんじゃないかな。

 

岩:そうですね、そことローカルがゆるく繋がっていけば、自分的には嬉しいですね。自分自身も東京の東側で生まれ育ち、今も根津とか谷根千あたりで活動しているので、地元を盛り上げていければという想いもありますので。

 

佐:最近、東京の東サイドが盛り上がっていますね。谷根千とか蔵前とか。そのあたりにフォーカスしながら、というのは面白いかもね。ぼくも好きですよ、あの辺り。谷中の和食器店「韋駄天」にはたまに行きますし。

 

岩:あっ、あそこは素敵なお店ですよね。

 

佐:うちの食器は結構あそこで買っていて、って話が反れてきた(笑)。

LIFE MAKERSに参加してみてどうですか?

 

岩:LIFE MAKERSはオンライン上の記事も面白いのですが、一番の魅力はリアルのトークベントですね。ポイントは2つあって、毎回、ゲストが1人だけであることと、佐々木さんが聞き手であること。 基本的にゲストは有名な方ばかりなので、1度はどこかしらで話を聞いたりしたことがあるのですが、LMではゲストお1人の話に1時間以上かけているので、少なからず未知の情報があるんですよね。しかも、聞き手が佐々木さんなので、僕らでは考えられないような切り口の質問が出てくる。なので、トークイベントについては、ほぼ皆勤賞で参加させて頂いています(笑)。

 

佐:いつも参加してくれていますよね、有り難うございます。何か期待していることはありますか?

 

岩:もう少しオンライン上のコミュニケーションが多かったらいいなっていうのと、あとは分科会や部活を設けるという方向ですね。

 

佐:なるほど、オンラインのコミュニケーションについては、運営チームとも話してみますね。分科会はぜひ、自然発生的にメンバー同士が繋がって生まれたらいいですよね。

 

岩:LIFE MAKERS自体が、広いテーマのコミュニティなので、いろんな属性や好みの人が集まっていると思うんです。それこそ、僕みたいにメディアや編集に興味がある人、コミュニティに興味がある人、新しいライフスタイルに興味がある人、シェアリングエコノミーに興味がある人などなど...。

 

佐:先ほどのSNSの多重レイヤーの話のようにね。

 

岩:はい、それぞれの分科会を設けて、動き出していけば面白いと思っています。あとは既にやられている登山イベントみたいなものも、横展開されると嬉しいですね。自分の興味があるテーマであれば、参加したいです。まだまだ話したことがない人もいますし、面白い方が多く集まっていると思うので、そうした分科会や部活を通じて交流していけたら嬉しいですね。

 

佐:面白い分科会があれば、僕も参加しますよ! ぜひ岩嵜さんの"ボッチ"と絡めて開催してください(笑)。Webメディアとイベントから生まれるコミュニティが、アメーバ的に増殖していって、それがローカルとも繋がって進化していく。非常に楽しみな方向性ですね。頑張ってください。

 

岩:有り難うございます!「東京ボッチ生活」はまだローンチしたばかりなので、これからどんどん進化させていければと思います。

 

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※「根津夜会」の企画者、参加者、「東京ボッチ生活」の運営メンバー、ともに現在募集中とのことです! 詳しくは各サイトをチェックしてみてください!

 

 

 

 

 

December 12, 2015 5:12 PM|INTERVIEW

【LIFE MAKERSな人々。Vol.03】

【LIFE MAKERSな人々。Vol.03】

 

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LIFE MAKERSでは面白い活動をしているメンバーに、佐々木さんが直接インタビューをするというコンテンツを展開しています!

 

第三回目のゲストは函館をテーマとしたローカルメディア『IN&OUT -ハコダテとヒト- 』の代表・編集長の阿部光平さんです。LIFE MAKERSでも以前、コネクトメディア「灯台もと暮らし」鳥井弘文さんの取材記事をご紹介したことがあるので、ご存知の方も多いかと思います。運営メンバーの皆さんが本業を持ちながら、地域青年団的な体制でやっているという新感覚メディアのお話はもちろん、会社員経験ゼロ!?という異色の経歴でひときわ存在感を放つ阿部さんのインサイトに迫ります。

 

■ゲストプロフィール

阿部光平(34)

IN&OUT -ハコダテとヒト- 』代表、ライター

1981年、北海道函館市生まれ。大学で社会学を学び、卒業を機に、5大陸を巡る地球一周の旅に出発。帰国後、フリーライターとして旅行誌等で執筆活動を始める。現在は雑誌やウェブ媒体で、旅行ガイドやライブレポート、原発問題など様々なジャンルの取材・執筆を行っている。東京で子育てをする中で、移住について真剣に考えるようになり、仲間と共に地元函館のローカルメディア『IN&OUT -ハコダテとヒト- 』を立ち上げた。

 

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佐々木(以下、佐):地べたに寝転がっている写真が印象的ですが、あれは何?(笑)

 

阿部(以下、阿):見て頂いたんですね! あれは自分が作っているメディアの写真なので、ちょっとふざけてみようかと思いまして(笑)。普段はちゃんとライター業をやっています。

 

佐:Webライターですか?

 

阿:Webもやっていますが、雑誌などの紙媒体が中心ですね。旅行誌、タウン誌、あとはアウトドア雑誌などです。

 

佐:なるほど、紙のクライアントワークをやりながら、自分のWebメディアも運営しているんですね。函館のローカルメディア『IN&OUT -ハコダテとヒト- 』について教えてください。

 

阿:ライターの仕事ってクライアントからの依頼ありきなので、自分の主観ってそこまで出せないんですよ。そうじゃなくて、自分主導で情熱を傾けられることをやりたい! と思って仲間を集めて立ち上げたのが『IN&OUT -ハコダテとヒト- 』です。

 

佐:函館に絞るっていうのも面白いよね。何か意図はあったの?

 

阿:地元が函館なので、「田舎に何か還元したい」という気持ちがどこかにあって。あとは子供が生まれた時に移住しようかといろいろ調べたのですが、函館の面白い情報があまりなくて...。

 

佐:知名度が高い街だから、情報はありそうですけどね。

 

阿:最新のタウン情報や仕事の募集、物件紹介みたいなものはあるんですけどね。

 

佐:即物的な情報しかないと。

 

阿:そうなんですよ。街のことを知るためには、最新情報よりも、住んでいる人や住んだことのある人の声が、一番リアリティがあると思っていて。街の情報から街を知ってもらうんじゃなくて、人の体験談から街を知ってもらおう、それも深く...と考えたんです。

 

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佐:『IN&OUT -ハコダテとヒト- 』を作っている人はみんな函館の人?

 

阿:全員が函館出身者ですね。函館と割り切ってやるんだったら、全員函館の人でやろうと。やっぱり地元の人がやってた方が説得力もあるかなと思いまして。

 

佐:ローカルを題材にする場合、当事者性がないとなかなか難しいからね。専任の人もいるんですか?

 

阿:カメラマンやWEBデザイナーなど、みんな別の本職をやりながら運営しています。"地域の青年団"みたいな感じですね(笑)。

 

佐:何人くらいいるの?

 

阿:今は4人です。

 

佐:実際にやってみてどうですか?

 

阿:まだ始めて4ヵ月くらいなんですけど、けっこう反響がありまして。意外だったのが、函館とまったく関係のない土地に住んでいる人から「面白いですね。僕もそういうことをやりたかったんです、相談させてください」などと言ってもらえて。確かに他の街でも、同じような展開はできるので。

 

佐:いろいろな地域で、リアルなローカル情報が出て来るようになると面白いかも。今は神山町みたいな、特異な例だけがクローズアップされてしまっていて。それ以外の普通の街でどういうことが起きているのか、ということはあまり知られていない。

 

阿:そうなんですよね。きっと地域ごとに、いろいろなドラマや事情があるはずで。具体的には〝函館出身で今は別の街に住んでいる人〟と、逆に〝外から函館に移住(またはUターン)してきた人〟に取材しています。2つの街で暮らした経験のある人たちの話を聞くことで、函館という街をより多角的に掘り起こしたいと思って。

 

佐:そうやって考えると、一つの街だけを題材にしても、やれることはたくさんあるよね。ところで阿部さんはそもそもどうやってライターになったの? 編プロか何かにいてとか?

 

阿:僕、実は、会社員経験がゼロなんです(笑)。

 

佐:へ〜それは面白い。どういうきっかけでライターに?

 

阿:大学を出てからワーキングホリデーでオーストラリアに行き、その後2年くらいで世界一周をしていました。当時は本当にお金がなくて...。ヒッチハイクや野宿をしながら、時には危ない目に合いながら!? なんとか帰ってきました。

 

佐:危ない目にも?

 

阿:ジャマイカで銃を突きつけられたり、チェコで強盗に襲われたり...。

 

佐:チェコで...それは...。じゃあこの話の続きはまた飲みながらでも(笑)。その後、ライターに?

 

阿:その世界一周の最後の国が香港だったんですけど、お金がもう200円くらいしかなくて...。小汚い大衆食堂みたいなところで飯を食っていたら、たまたま航空会社の人と知り合って。それで世界一周中に起こったさまざまなことを話しているうちに、「君、面白いね! 機内誌とか書かない?」ということになり。

 

佐:えっそんなことがあるんですね、島耕作みたい(笑)。

 

阿:自分でもびっくりしました。日本に帰ってどうしよう?状態でしたから...。やってみるかと思って、ライター業を始めたんですよ。最初の仕事が「中国の少数民族を訪ねる」という企画だったんですが、面白がってもらえたのが危険な目に遭った話だったので、積極的にマフィアの事務所や連れ込み宿を取材しちゃって...。もちろん後で怒られました(苦笑)。

 

佐:絶対に機内誌では書けない内容だよね(笑)。そこからずっとフリーで?

 

阿:そうですね、独学でとにかく経験を積んで、だいたい8年になりますね。

 

佐:大したものですね、それは。

 

阿:いろんな仕事をしましたけどね。エロ本のライティングとか。「君、文章に照れがあるね〜」って言われてダメでしたけど(笑)。


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佐:(笑)。これからもライターをやりながら、自分たちのメディアを運営していく感じ?

 

阿:基本的にはそうですね。『IN&OUT -ハコダテとヒト- 』に関しては、もうちょっと突っ込んでやっていこうと思っています。例えば業界の第一線で活躍しているデザイナーや美容師の方を函館に連れていって、中学生や高校生を相手にワークショップをやったり。ローカルと東京を繋ぎながら、リアルなコミュニケーション軸も強化していこうかと。

 

佐:Web+リアルコミュニケーションはますます重要になるからね。

 

阿:そうですよね。あとはインタビューしていると、面白いものを作っている人がたくさんいて。ただ紹介するだけじゃなく、実際に販売したりもしたいなと。あとは他のローカルで面白い活動をしている人と、もっと繋がっていきたいですね。ニューヨークのブルックリンの人たちがやっている"マップトート"ってご存知ですか?

 

佐:いや、それは知りませんね。

 

阿:いろんな街のマップをイラストにして、それをトートバッグにしているんです。マップトートを通して、地域をブランディングするという。「あそこの街のマップトートかっこいいよね!」「うちの街のマップが、やっぱり洒落てるよね」みたいな感じで盛り上がっていて。ファッション性はもちろん、そこにローカルプライドみたいなものもあって面白いんですよ。

 

佐:へ〜面白いね。今までにありそうだけど、なかったという。

 

阿:ただ同じようなことを函館でやるのではなく、ブルックリンのローカルな人たちとコラボして作るのが面白いかと思っていて。国を越えてお互いのローカル情報を共有もできますし。

 

佐:グローカルモデルだよね。同じブランドを使って、いろいろなローカルで展開するという。その方向性はすごく面白いと思う。ぜひ実現させてほしいですね。ちなみに函館に移住することは考えてないの?

 

阿:子育てする環境についてはすごく考えていて。函館は海も山も近いし、自然環境がいい反面、少子高齢化が進んでいて、学校が合併したりクラスの人数が激減しているんですよね...。そういう環境は、子供にとって本当に良いのかなとか考えたり。仕事の面では、それこそ2拠点もありかな、などと考えているところです。

 

佐:僕は東京、軽井沢、福井の3拠点生活だけど、割とストレスなく、というかむしろ楽しくやれているけどね。

 

阿:もう少ししたら新幹線も通るので、そうすればかなり可能性が出てきます。そこはこれから真剣に考えたいところですね。

 

佐:ぜひまた進展を教えてください。LIFE MAKERSはどうですか?

 

阿:LIFE MAKERSは面白いですね。

 

佐:何が面白い?

 

阿:自分で選ぶものって、どこか偏ってしまうんですよね。でもLIFE MAKERSは佐々木さんがキュレーションしている人や情報なので、普段手を伸ばさないであろう人の話が聞けたり、情報が得られる。そこに今、自分がやっているものとの接点も見えたりするので、そういうところがいいですよね。

 

佐:なるほどね。いろんな知の在り方あるんだけど、自分だけだと意外と見えている範囲が狭いという。今日のゲストの矢野さんもそうだけど、「こんな凄い人がこの世にいるのか!」という驚きが僕自身もたくさんあって。どうしてもこういったコミュニティだと、自己啓発系の人や情報に偏りがちなんだけど...。そういうのはあまり好きじゃなくて。いかに知らない世界のものと出会って、驚いて、繋がっていけるかが重要であって。

 

阿:あとはたくさん得ることがあるので、ただただ勉強しているだけじゃなく、僕自身が呼ばれるような存在にならないと。いつか呼ばれるように頑張ります(笑)。

 

佐:十分に楽しいお話を有り難うございました! さらに頑張って、ぜひトークイベントのゲストとして来てください(笑)。今後の活躍を楽しみにしています。

 

阿:ありがとうございます!!

 

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November 25, 2015 12:00 PM|INTERVIEW

【LIFE MAKERSな人々。Vol.02】

【LIFE MAKERSな人々。Vol.02】

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LIFE MAKERSでは面白い活動をしているメンバーに、佐々木さんが直接インタビューをするというコンテンツを展開しています!

 

第二回目のゲストはLIFE MAKERS立ち上げ当初から参加されている永井一二三さんです。

 

原宿のシェアハウス「THE SHARE」住人でもある永井さんは、ソーシャルメディアのディレクター兼コピーライターとして、「NIKE」のFacebookやTwitterの運営に携わってきた経験を持つ方です。さらに "シェア"をキーワードにリアルイベントを企画したり、アップルウォッチのレンタルサービスを世界で初めて実施するなど、面白いアイデアをもとにアクティブな活動をされています。

 

 ■ゲストプロフィール

永井一二三(33)

コピーライター

東京都江戸川区生まれ。大学卒業後、人材広告の営業やITサービスの企画・運営を担当。主にソーシャルメディアのディレクターやコピーライターとして活躍する傍ら、シェアハウスについてのイベントを企画や運営を行う。

 
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佐々木(以下、佐):最近ネット界隈の企業やメディアが、リアルイベントを開催するケースが増えています。「LIFE MAKERS」もそうですが、リアルに集まれるコミュニケーションの場って、今もの凄く重要なんじゃないかと思っていて。永井さんはWebの仕事をしながら、リアルイベントのディレクションを手掛けてきたということで、まさに今求められているような仕事をしているなという印象です。まずはイベントのことについて教えてください。

 

永井(以下、永):前職時代になりますが、シェアハウスに関するイベント運営をやっていました。

 

佐:それはどのような?

 

永:シェアハウスの内覧会と絡めたイベントですね。いかに多くの方に内覧に来てもらうかということを軸に企画を考えたり、SNSを使ってプロモーションしたりという感じです。

 

佐:なるほど、集客の部分からということですね。リアルイベントにおける集客は結構大変ですよね。何かポイントはありますか?

 

永:来る方が事前に分かるっていうのが、大きい気がしています。FacebookやPeatixの普及でイベントの情報が出しやすくなりましたし、何より来る人がどんな人なのか何となく分かる。

「おっ、友達が行くみたいだから、自分も行ってみよう」のような流れっていいなと思っていまして。

 

佐:なるほど、参加者が可視化されているので、内容はもちろん集まっている雰囲気や情景も何となく分かるというね。ネットとリアルの関係がすべてシームレスに繋がってきた、というイメージですね。確かに興味深いポイントですね。今はコピーライターをやっているとか。

 

永:そうですね、外資系のエージェンシーで働いています。

 

佐:Webのコピーライターの仕事は、今後どのような方向に向っていくと思いますか?

 

永:活動領域がどんどん広がっていくんじゃないかと思っています。

例えばソーシャルメディアの運用やクラウドファンディングを立ち上げる時も、「どういう伝え方をすればインパクトがあるか」というのは、コピーライティングのスキルが重要になってきます。他にもInstagramは画像の印象が強いですけど、検索はテキストでするので、そこのワードにはコピーライティングが活きてきます。

 

佐:人間を惹きつけるコピーはもちろん、検索にもうまく認識してもらわないといけない...。両立が求められるってことね。

 

永:そうですね。そう考えると、かなりいろんなことを考えながらコピーを作る必要があります。

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佐:アメリカの新興メディアも、FacebookやTwitterで見出しをどうするかというのが、もの凄く重要な課題になっていて。最近では"Curiosity Gap=好奇心ギャップ"が問題になっているケースが多い。

 

永:それはどういうものなんですか?

 

佐:すごく好奇心を駆り立てるタイトルなのに、記事にいったら全く面白くなかったり、ひどいものになると内容が違っていたり...。見出しだけ見ると好奇心を掻き立てられるけど、実際の記事の中身は面白くないというね。

 

永:確かに釣りタイトルのようなものは、頻繁に見かけるようになりましたね。

 

佐:Facebookはこのギャップが高い記事は離脱が早いので、配信メディアのエッジランクを下げて、タイムラインに載せないという施策をとったようです。なのでメディア側はアテンション・ミニッツをいかに長くするか、という対策をし始めている。

 

※「アテンション・ミニッツ」:物語がどう読まれているのかを計測する手段で、読んでいる時間だけでなく、もっと多角的に読者の行動を見るもの。

 

永:記事を長文にしていくということですか?

 

佐:というのもそうなんだけど、どちらかというと、記事の中にジョークをたくさん入れたりして、訪問者のアテンションを最後まで切らさないような仕掛けをする、などの試みですね。注目されている時間が長ければ長いほどいい記事だ、ということをプラットフォーム側が指標にしているので。しかもスマホの普及でより画面がシンプルになって、見出しが目に入りやすくなっている。

 

永:コンテンツの中身も重要ですが、ますます記事をパッと見た時の印象が大切になってきますよね。瞬間の勝負といいますか。

 

佐:見出しを目にする時間はもの凄く短いからね。1秒くらいじゃないかな。そう考えるとWebのコピーライターの仕事は、これからますます重要になってくる。恐らく次のフェーズは、ビッグデータ分析から最適なアルゴリズムを導き出して、自動で効果的なコピーを作るようなシステムができそう。

 
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永:そうですね。そうなるとコピーライターはコピーを考えるだけというより、どこにテキストや画像を配置して、どのSNSにどうやって情報を出していくか、などを総合的にディレクションしていくような方向になりますね。

 

佐:そう考えるとまだまだWebにおけるコピーライトの分野もニューフロンティアなところがあり、可能性は広がっているよね。新しいSNSのプラットフォームだって次々に出てくるだろうし。

 

永:ちなみに佐々木さんが好きなコピーってどういうものですか?

 

佐:そうだね、やっぱり知性と教養を感じさせるものが好きかな。この人これを知ってるからこの言葉を使ってるんだろうな、とか。例えば古い小説の一説をもじっていたりすると、「うまいな〜これ」と思うし。そういう知性の閃きを感じるものが個人的には好きですね。釣りコピーが溢れてる中で、そうじゃないある種のプライドを感じさせるもの。

ちなみに「LIFE MAKERS」に参加してどうですか?

 

永:冒頭のお話じゃないですが、リアルイベントがあって、ゲストの方に直接お話を聞けるというのが大きいと思います。しかもクローズドな情報なので、実は一番気になるところを聞かせてもらえるというのは貴重ですよね。

 

佐:意外にこんな話もしてくれるんだ、というゲストの方もいて毎回面白いよね。メンバーとのコミュニケーションはどうですか?

 

永:そうですね、面白い活動をしている人が多いので、今後はメンバー同士や運営側の人と一緒にコンテンツやサービスを作れたらエキサイティングですよね。実際に何か企画が動き出したら面白いんじゃないか、と思っていまして。せっかくの機会なので、与えられるだけじゃもったいないですから。

 

佐:そういう志の高い人がたくさんいるし、職種もさまざまなので、いろいろなことができそう。まるでコワーキングスペースで一緒にいるような感覚で。

 

永:うまくマッチングして、それがどんどん加速していけばいいなと思っています。

 

佐:できることは何でも協力しますので、ぜひ何か生み出してみてください。楽しみにしています!

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October 19, 2015 6:24 PM|INTERVIEW

【LIFE MAKERSな人々。Vol.01】

【LIFE MAKERSな人々。Vol.01】

 

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LIFE MAKERSでは面白い活動をしているメンバーに、佐々木さんが直接インタビューをするという新しいコンテンツを展開していきます! 

 

第一回目のゲストはLIFE MAKERS立ち上げ当初より名古屋から参加してくれている御子柴雅慶さん。

 

もともと楽天にいらっしゃった御子柴さんは、その経験を活かしシェアリングエコノミー関連やコンサルティングの会社を立ち上げられた起業家。ECとAirbnbを組み合わせたユニークなアプローチや、民泊を広めるためのクラウドファンディングなど、大変興味深いお話を聞かせて頂きました。

 

皆様ぜひともご覧になってください!

 

■ゲストプロフィール

御子柴雅慶(29)

Replace株式会社 代表取締役社長

大学卒業後の2010年4月楽天株式会社に入社。全国営業ランキング1位達成後、楽天シンガポール立上げに参画後に退職。2014年11年に独立し、Replace株式会社を設立。現在は東京・名古屋を拠点に、主にコンサルティング・制作・シェアリングエコノミーの事業に特化している。

 

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佐々木(以下、佐):今は自分で会社をやっているの?

 

御子柴(以下、御):はい、自分でやっています。airbnbのようなシェアリングエコノミーの概念を足して、時代に即した新しい切り口でコンサルティングをする業務をしています。

 

佐:コンサルって、例えばどういうことをやっているんだろう。

 

御:webサイトをゼロから作って、運用、システム構築、メディア制作・保守からアプリ制作まで全てを行う感じです。

 

佐:どういうところに力を入れているんですか?

 

御:一番力を入れているのは、お客様が満足して購入をするプロセス設計です。今、東京の某メーカーさんの仕事をしているんですけど、例えば、インテリア関連の商材だとなかなか「試すということ」が難しくて...。食べ物だったら試食できますし、ファッションなら試着できるんですが。

 

佐:確かに試しづらいし、例えば、布団とかだと、どれだけフワフワしているかって伝えにくいよね。WEB上では限界があるかも。

 

御:大量消費を狙ったマス向けのランディングページだと、過度な表現になってしまいます...。どうしたら購入者に本当に必要なものだと伝えられて、他社との差別化を計れるだろうと考えた時に、Airbnbと組み合せることを考えたんです。

 

佐:AirbnbとEC...。それはインテリアのショールーミングのようなイメージ?

 

御:まさにそのような感じです。Airbnbを運営してその部屋のインテリアを、お客さんの製品にするんです。そうすると泊まりに来た人は、実際にその商品(カーテン・クッション等)を見たり、(ラグ・タオル等)使ったり、その布団で寝ることになります。

 

佐:なるほど、さすがに一晩寝れば感触は掴めますよね。

 

御:そうなんです。それで、本当にその商品が欲しくて必要な人のみにWEBサイトの方に来てもらうという戦略です。商品を試して実際に良いものだから購入するというプロセスを踏むことで、ミスマッチなく納得して購入して頂けると考えています。

 

佐:実際に売れるんですか?

 

御:はい、お陰さまで反応はいいです。中国人のお客様も商品に満足して、家族分も購入されました(笑)。

 

佐:おお、それは凄いですね。Airbnbをそういう使い方ができると考えていくと、いろいろな可能性がありそうですよね。Airbnbの運営や代行を事業としてやっていくイメージはあるんですか?

 

御:興味はあるんですが、法律の問題とメンテナンスの部分が労働集約型になるのでスケールしづらいと思います。今のところは難しいかもしれません。それよりもまずはAirbnbや民泊を適切な法整備の元、広めていきたいという想いがあるので、フランスまで調査しにいきます。そのための「〜国境なき民泊取材団〜 これからの民泊の形をフランスで調査・レポートしたい」というクラウドファンディングも立ち上げました。

 

佐:それはどんな調査なの?

 

御:フランスで行われる「Airbnb Opun2015」に参加したり、むこうの民泊の実態を取材しに行くというものです。Airbnbに限定せずあくまで中立な立場から、様々な調査をしてくるつもりです。それをもとに民泊がいいもの? 悪いもの?を議論しながら、どうすれば適切な法整備が進むかを考えていきたいと思っています。

 

佐:それは面白そうですね。

 

御:Airbnbで検索するとバッドニュースのほうが圧倒的に多く、民泊=悪いものというイメージになってしまっています。民泊のいい部分がPRし切れていないので、Airbnb以外の第三者が民泊のいい部分をPRしていくことで、適切な法整備が進むことを望んでいます。

 

佐:大田区が国家戦略特区を利用して来年から民泊OKにするみたいで、少しずつ扉がこじ開けられつつある感じはあるけど、まだまだ日本だと可能性が見えないというね。田舎に行くと空き家がゴロゴロしているから、そういうところの集落をまるごとリノベして、Airbnbのコミュニティにすれば面白いんじゃないかな。外国人に話を聞いてみると、観光客がいないところに連れていってほしいっていうのが多い。確かに自分も外国に行くと、日本人のいないところに行きたいっていうのがある。だから都心より田舎の集落の方が喜ばれる気がしていて。

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御:それはめちゃくちゃ面白いですね!

 

佐:アイデアをそのまま使ってもいいよ(笑)。

 

御:本当に使いますよ(笑)。

 

佐:クラウドファウンディングで資金は集まっているの?

 

御:はい、お陰さまで20時間で目標金額は達成しました。今月末までやっていますので、ぜひサイトをチェックみてください。

https://www.makuake.com/project/minpaku/

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佐:もう達成しているんだ、凄い。LIFE MAKERのメンバーの皆さんにも見てもらえると嬉しいですね。

LIFE MAKERに参加してみてどうですか?

 

御:毎回めちゃくちゃ勉強になります! 個人的に興味のあるメディアやライフスタイルについてはもちろん、ECの仕事をしていたこともあり、クラシコムの青木さんの話はエキサイティングでした。そこまで企業情報をしゃべってしまって大丈夫ですか?という(笑)。

 

佐:そこはクローズドの魅力だよね。みんな意外としゃべりたいことはたくさんあるんだけど、ネットに情報が出た時に思ってもないニュアンスで拡散してしまうこともあるから、セーブしちゃうこともある...。変に加工されちゃうこともあるし...。インターネットが普及すればするほど、オープンな場所で自由にものを言えなくなるという。だからこういうクローズドの場の方が、聞きたいことをしっかり聞けるんじゃないかな。一緒に参加しているメンバーはどうですか? 同じような空気感の人が集まってる気がしていますが。

 

御:最初はすごく緊張したんですけど、話していくと同じ感覚を持った人たちがたくさんいて、すぐに仲良くなりました。そういう人たちと出会いたい、というのもありましたのでネットワークが広がるのは嬉しいですね。

 

佐:懇親会はいつもテンション高いよね(笑)。

 

御:そうですね!盛り上がりますし、普段会えないようなゲストの方と直接話せるのも貴重な機会ですよね。

 

佐:今後身につけたい知識やスキルはありますか?

 

御:シェアリングエコノミー関連は特に深く学びたいところです。それを自分がやっている事業に活かして、少しでも先進的な事例を作れればと思っています。

 

佐:シェアリングエコノミーに関しては、すごい勢いで状況が変わってきてるよね。特にサービスが新しく進化してるというよりは、意識の変化がすごい。昨日ちょうど大学の教授と話していたんだけど、今の20〜30代とその上の世代では、シェアやプライバシーの感覚が違いすぎている...。20〜30代の意見をしっかりとヒアリングしないと、これからの社会のデザインができないよねっていう。

 

御:僕らもそれは感じています。

 

佐:団塊や団塊ジュニア世代の常識で物事を考えちゃうと、次の世代が求めている社会と乖離していく恐れがある。特に日本はAirbnbのような民泊にしても、乗り物の相乗りサービスなんかにしても、いろいろな規制が邪魔してなかなかシェアリングができない...。ただ意識の部分だけは、アメリカのミレニアム世代といわれる20代と同じようになってきている感じはしていて。今後3年なり5年、もうちょっと時間が掛かるかもしれないけど、少しずつそこを埋めるような形で法整備が進んだり、ビジネスやマーケットの考え方が変わっていくと思う。

その時のために早い段階できちんとした情報や流れを知っておくことが、とても大事なことだと思います。

 

御:LIFE MAKERSの活動を通して、その部分を学んでいければと思います。

本日は有り難うございました!

 

佐:ぜひ今後も一緒に学んでいきましょう!

 

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