佐々木俊尚PRESENTS【LIFE MAKERS】

「21世紀の教養」を身につける

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【LIFE MAKERSな人々。Vol.03】

December 12, 2015 5:12 PM|INTERVIEW
 
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【LIFE MAKERSな人々。Vol.03】

 

abe-san.png

 

LIFE MAKERSでは面白い活動をしているメンバーに、佐々木さんが直接インタビューをするというコンテンツを展開しています!

 

第三回目のゲストは函館をテーマとしたローカルメディア『IN&OUT -ハコダテとヒト- 』の代表・編集長の阿部光平さんです。LIFE MAKERSでも以前、コネクトメディア「灯台もと暮らし」鳥井弘文さんの取材記事をご紹介したことがあるので、ご存知の方も多いかと思います。運営メンバーの皆さんが本業を持ちながら、地域青年団的な体制でやっているという新感覚メディアのお話はもちろん、会社員経験ゼロ!?という異色の経歴でひときわ存在感を放つ阿部さんのインサイトに迫ります。

 

■ゲストプロフィール

阿部光平(34)

IN&OUT -ハコダテとヒト- 』代表、ライター

1981年、北海道函館市生まれ。大学で社会学を学び、卒業を機に、5大陸を巡る地球一周の旅に出発。帰国後、フリーライターとして旅行誌等で執筆活動を始める。現在は雑誌やウェブ媒体で、旅行ガイドやライブレポート、原発問題など様々なジャンルの取材・執筆を行っている。東京で子育てをする中で、移住について真剣に考えるようになり、仲間と共に地元函館のローカルメディア『IN&OUT -ハコダテとヒト- 』を立ち上げた。

 

プロフ-阿部さん.JPG

佐々木(以下、佐):地べたに寝転がっている写真が印象的ですが、あれは何?(笑)

 

阿部(以下、阿):見て頂いたんですね! あれは自分が作っているメディアの写真なので、ちょっとふざけてみようかと思いまして(笑)。普段はちゃんとライター業をやっています。

 

佐:Webライターですか?

 

阿:Webもやっていますが、雑誌などの紙媒体が中心ですね。旅行誌、タウン誌、あとはアウトドア雑誌などです。

 

佐:なるほど、紙のクライアントワークをやりながら、自分のWebメディアも運営しているんですね。函館のローカルメディア『IN&OUT -ハコダテとヒト- 』について教えてください。

 

阿:ライターの仕事ってクライアントからの依頼ありきなので、自分の主観ってそこまで出せないんですよ。そうじゃなくて、自分主導で情熱を傾けられることをやりたい! と思って仲間を集めて立ち上げたのが『IN&OUT -ハコダテとヒト- 』です。

 

佐:函館に絞るっていうのも面白いよね。何か意図はあったの?

 

阿:地元が函館なので、「田舎に何か還元したい」という気持ちがどこかにあって。あとは子供が生まれた時に移住しようかといろいろ調べたのですが、函館の面白い情報があまりなくて...。

 

佐:知名度が高い街だから、情報はありそうですけどね。

 

阿:最新のタウン情報や仕事の募集、物件紹介みたいなものはあるんですけどね。

 

佐:即物的な情報しかないと。

 

阿:そうなんですよ。街のことを知るためには、最新情報よりも、住んでいる人や住んだことのある人の声が、一番リアリティがあると思っていて。街の情報から街を知ってもらうんじゃなくて、人の体験談から街を知ってもらおう、それも深く...と考えたんです。

 

abesan-1.jpg

佐:『IN&OUT -ハコダテとヒト- 』を作っている人はみんな函館の人?

 

阿:全員が函館出身者ですね。函館と割り切ってやるんだったら、全員函館の人でやろうと。やっぱり地元の人がやってた方が説得力もあるかなと思いまして。

 

佐:ローカルを題材にする場合、当事者性がないとなかなか難しいからね。専任の人もいるんですか?

 

阿:カメラマンやWEBデザイナーなど、みんな別の本職をやりながら運営しています。"地域の青年団"みたいな感じですね(笑)。

 

佐:何人くらいいるの?

 

阿:今は4人です。

 

佐:実際にやってみてどうですか?

 

阿:まだ始めて4ヵ月くらいなんですけど、けっこう反響がありまして。意外だったのが、函館とまったく関係のない土地に住んでいる人から「面白いですね。僕もそういうことをやりたかったんです、相談させてください」などと言ってもらえて。確かに他の街でも、同じような展開はできるので。

 

佐:いろいろな地域で、リアルなローカル情報が出て来るようになると面白いかも。今は神山町みたいな、特異な例だけがクローズアップされてしまっていて。それ以外の普通の街でどういうことが起きているのか、ということはあまり知られていない。

 

阿:そうなんですよね。きっと地域ごとに、いろいろなドラマや事情があるはずで。具体的には〝函館出身で今は別の街に住んでいる人〟と、逆に〝外から函館に移住(またはUターン)してきた人〟に取材しています。2つの街で暮らした経験のある人たちの話を聞くことで、函館という街をより多角的に掘り起こしたいと思って。

 

佐:そうやって考えると、一つの街だけを題材にしても、やれることはたくさんあるよね。ところで阿部さんはそもそもどうやってライターになったの? 編プロか何かにいてとか?

 

阿:僕、実は、会社員経験がゼロなんです(笑)。

 

佐:へ〜それは面白い。どういうきっかけでライターに?

 

阿:大学を出てからワーキングホリデーでオーストラリアに行き、その後2年くらいで世界一周をしていました。当時は本当にお金がなくて...。ヒッチハイクや野宿をしながら、時には危ない目に合いながら!? なんとか帰ってきました。

 

佐:危ない目にも?

 

阿:ジャマイカで銃を突きつけられたり、チェコで強盗に襲われたり...。

 

佐:チェコで...それは...。じゃあこの話の続きはまた飲みながらでも(笑)。その後、ライターに?

 

阿:その世界一周の最後の国が香港だったんですけど、お金がもう200円くらいしかなくて...。小汚い大衆食堂みたいなところで飯を食っていたら、たまたま航空会社の人と知り合って。それで世界一周中に起こったさまざまなことを話しているうちに、「君、面白いね! 機内誌とか書かない?」ということになり。

 

佐:えっそんなことがあるんですね、島耕作みたい(笑)。

 

阿:自分でもびっくりしました。日本に帰ってどうしよう?状態でしたから...。やってみるかと思って、ライター業を始めたんですよ。最初の仕事が「中国の少数民族を訪ねる」という企画だったんですが、面白がってもらえたのが危険な目に遭った話だったので、積極的にマフィアの事務所や連れ込み宿を取材しちゃって...。もちろん後で怒られました(苦笑)。

 

佐:絶対に機内誌では書けない内容だよね(笑)。そこからずっとフリーで?

 

阿:そうですね、独学でとにかく経験を積んで、だいたい8年になりますね。

 

佐:大したものですね、それは。

 

阿:いろんな仕事をしましたけどね。エロ本のライティングとか。「君、文章に照れがあるね〜」って言われてダメでしたけど(笑)。


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佐:(笑)。これからもライターをやりながら、自分たちのメディアを運営していく感じ?

 

阿:基本的にはそうですね。『IN&OUT -ハコダテとヒト- 』に関しては、もうちょっと突っ込んでやっていこうと思っています。例えば業界の第一線で活躍しているデザイナーや美容師の方を函館に連れていって、中学生や高校生を相手にワークショップをやったり。ローカルと東京を繋ぎながら、リアルなコミュニケーション軸も強化していこうかと。

 

佐:Web+リアルコミュニケーションはますます重要になるからね。

 

阿:そうですよね。あとはインタビューしていると、面白いものを作っている人がたくさんいて。ただ紹介するだけじゃなく、実際に販売したりもしたいなと。あとは他のローカルで面白い活動をしている人と、もっと繋がっていきたいですね。ニューヨークのブルックリンの人たちがやっている"マップトート"ってご存知ですか?

 

佐:いや、それは知りませんね。

 

阿:いろんな街のマップをイラストにして、それをトートバッグにしているんです。マップトートを通して、地域をブランディングするという。「あそこの街のマップトートかっこいいよね!」「うちの街のマップが、やっぱり洒落てるよね」みたいな感じで盛り上がっていて。ファッション性はもちろん、そこにローカルプライドみたいなものもあって面白いんですよ。

 

佐:へ〜面白いね。今までにありそうだけど、なかったという。

 

阿:ただ同じようなことを函館でやるのではなく、ブルックリンのローカルな人たちとコラボして作るのが面白いかと思っていて。国を越えてお互いのローカル情報を共有もできますし。

 

佐:グローカルモデルだよね。同じブランドを使って、いろいろなローカルで展開するという。その方向性はすごく面白いと思う。ぜひ実現させてほしいですね。ちなみに函館に移住することは考えてないの?

 

阿:子育てする環境についてはすごく考えていて。函館は海も山も近いし、自然環境がいい反面、少子高齢化が進んでいて、学校が合併したりクラスの人数が激減しているんですよね...。そういう環境は、子供にとって本当に良いのかなとか考えたり。仕事の面では、それこそ2拠点もありかな、などと考えているところです。

 

佐:僕は東京、軽井沢、福井の3拠点生活だけど、割とストレスなく、というかむしろ楽しくやれているけどね。

 

阿:もう少ししたら新幹線も通るので、そうすればかなり可能性が出てきます。そこはこれから真剣に考えたいところですね。

 

佐:ぜひまた進展を教えてください。LIFE MAKERSはどうですか?

 

阿:LIFE MAKERSは面白いですね。

 

佐:何が面白い?

 

阿:自分で選ぶものって、どこか偏ってしまうんですよね。でもLIFE MAKERSは佐々木さんがキュレーションしている人や情報なので、普段手を伸ばさないであろう人の話が聞けたり、情報が得られる。そこに今、自分がやっているものとの接点も見えたりするので、そういうところがいいですよね。

 

佐:なるほどね。いろんな知の在り方あるんだけど、自分だけだと意外と見えている範囲が狭いという。今日のゲストの矢野さんもそうだけど、「こんな凄い人がこの世にいるのか!」という驚きが僕自身もたくさんあって。どうしてもこういったコミュニティだと、自己啓発系の人や情報に偏りがちなんだけど...。そういうのはあまり好きじゃなくて。いかに知らない世界のものと出会って、驚いて、繋がっていけるかが重要であって。

 

阿:あとはたくさん得ることがあるので、ただただ勉強しているだけじゃなく、僕自身が呼ばれるような存在にならないと。いつか呼ばれるように頑張ります(笑)。

 

佐:十分に楽しいお話を有り難うございました! さらに頑張って、ぜひトークイベントのゲストとして来てください(笑)。今後の活躍を楽しみにしています。

 

阿:ありがとうございます!!

 

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